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ジャパニーズジャングル
第二章

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「うわ、これは」
「ないな」
「ええ、ニオイツタがお家全体を覆っていて」
「他にも雑草がな」
 大場は青空と共にその空き家、家だけでなく庭や玄関も見て言った。
「無茶苦茶多いな」
「成長していて量も」
「物凄いな」
「窓のところからお家の中見えますが」
「お家の中もな」
「ニオイツタと雑草が一杯ですよ」
「まるでジャングルだな」
 大場はこうも言った。
「絶対にここが原因だな」
「そうですね、ここが特にカメムシが多いですし」
「カメムシの巣だ」
「間違いなくそうですね」
 二人で話してだった。
 すぐに市役所に戻って課長に事情を話した、すると課長も頷いてだった。
「空き家の草を徹底的に刈ろう、あそこは今所有者もいない筈だしな」
「はい、そうしてですね」
「カメムシの元を絶ちますね」
「そうしよう」
 こう言って許可を出してだった。
 市役所の方でその空き家の雑草を刈っていった、除草剤は近隣の家の迷惑になるので避けてそうした。
 大勢の人間を用いて少しずつやっていった、玄関から庭そこから家の中まで草を刈って奇麗にしたが。
 ボロ家が出て来たがその家は今にも崩れそうで青空はその家を見て大場に話した。
「こんな家でしたら」
「あんな風に雑草やニオイツタに囲まれて当然だな」
「そうですね、ずっと人が住んでなかったんですね」
「そうだな、本当に家は人が住んでいないと荒れてな」
「最悪あそこまでなって」
「カメムシの巣にもなるんだ」
「そう思うと家は人が住んでこそですね」
 青空はしみじみと思った。
「荒れないですしよくなるんですね」
「そうだな、何はともあれこれでな」
「カメムシは減りますね」
「元を絶ったからな」 
 大場は青空に確かな声で語った、そうして実際にだった。
 カメムシはその数を極端に減らした、市には平和が戻った。このことに誰もが喜びその中には大場と青空もいた。


ジャパニーズジャングル   完


                  2022・3・19
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