新しい使い魔
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ハルトの頭上のガルーダに「キーキー!」と叫ばせる。
「うわっ! ガルーダ、どうしたの?」
ガルーダは可奈美とゴーレムの間に割り込み、ゴーレムへ何度も小突いた。
「わわっ! ダメだよ! 喧嘩はやめて!」
「怪鳥とゴリラ……小さな怪獣映画だなこれ」
ハルトがそんな感想を漏らしながらも、その顛末を見守っていた。
やがて、怪鳥はゴリラの腕を振り払い、その背中を小突く。無理矢理にでも前に押し出されたゴーレムは、渋々ながらに全身し始めた。
「それじゃあ、お願い」
ガルーダとユニコーンが先導する中、ゴーレムは数歩遅れて移動する。
だが、即座に立ち止まり、ハルトと可奈美を見返した。
「おーい」
ハルトの呼びかけに、ゴーレムは頭を回転させる。やがて、少しためらった後、ハルトの足元に戻って来た。
「あ、あれ?」
「どうしたの?」
可奈美が中腰で語りかける。
ハルトの足から顔を覗かせるゴーレムは、可奈美とガルーダの顔を交互に見比べる。
「おい、ゴーレム?」
ハルトはゴーレムを再び掴み上げようとする。だが、ゴーレムの体に触れるよりも先に、ゴーレムの肉体は消滅。ハルトの指は、ゴーレムではなく指を掴み上げた。
「ああ、消えちゃった……まだ魔力残ってるはずなんだけど」
「ええ? もう動けなくなっちゃったのかな」
「……まあ、索敵の他にも、何かできることがあるかもしれない。ゴーレムの役割は、またしばらく考えるよ」
ハルトは紫の指輪をポケットにしまった。
二体の使い魔たちが仕方なさそうに去っていくのを見届けて、大きな欠伸をする。
「ふあああ……それじゃあ、シフトの時間まで俺は寝るわ」
「ええ? 折角起きたのに勿体ないよ! 一緒に見滝原公園に行こうよ!」
「いや、さっきも言ったけど俺徹夜明けなんだよ。寝ておかないとこの後のシフトがキツイんだって……」
「大丈夫だよ! ハルトさんいつも、それ以上の大変な生活を送ってるし」
「俺にも平穏な日々を送らせてくれ!」
ハルトは悲鳴に近い声を上げた。
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