新しい使い魔
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「なんか、ゴーレムちゃんってかわいい顔してるね」
「そう?」
可奈美の言葉に、ハルトはゴーレムの目元を凝視する。
「そう言われてみれば、つぶらな瞳だし、可愛いっていえば可愛い……のか?」
「可愛いよ!」
可奈美が笑顔で主張した。
すると、ゴーレムが首を左右に振る速度を速めた。と同時に、どこからともなく赤い流星が飛んできた。それはゴーレムに激突し、その紫の肉体を可奈美の手に飛び込ませる。
ゴーレムにぶつかって来た赤い物体。それは、ゴーレム、ユニコーンと同じく、プラスチックでできた疑似生命体だった。
「お、ガルーダ。戻って来たか」
レッドガルーダ。
ハルトが持つ使い魔の一体にして、最近ハルトよりも可奈美に懐いてきて大変困りもの。
レッドガルーダは甲高い鳴き声を上げながら、可奈美の手に乗るゴーレムへ怒鳴っていた。
「ああ、ほらガルちゃん。喧嘩しないの」
可奈美の割り込みで、ガルーダは嘴を収め、むしろ可奈美に甘えるように体を擦り付け始める。
「本当にガルーダの指輪可奈美ちゃんに上げちゃってもいいんじゃないかと思う今日この頃」
「あはは。ほら、ガルちゃん。新しいお友達に、お仕事しっかり教えてあげて」
可奈美の言葉に、ガルーダはアッサリと了承した。
ユニコーンに並び、ゴーレムへ何かを語りかけている。しばらく対話が続いたようだが、やがてガルーダとユニコーンが相談し始めた。
「ガルちゃんたち、何を話してるの?」
「さあ? 使い魔の言葉は分からないからなあ……」
その時、二体の使い魔は、突然自らの互いにパーツを分解した。
それぞれが入り混じり、翼をもつユニコーン……ペガサスとなった。
「おおっ! ガルちゃんたちが合体した!」
「そういえばあったな、こんな機能」
「ハルトさんが忘れるほど!?」
「使い魔は、基本的にファントムの索敵がメインだからね。合体するよりもバラバラで動いた方がいいんだよね。ほら、分かれて分かれて」
ハルトが、手を叩く。すると、プラモンスターたちは再び合体を解除し、ガルーダとユニコーンの姿に戻る。
「それじゃあゴーレム。ガルーダとユニコーンみたいに、ファントムっていう怪物を探してきて」
ハルトの言葉とともに、ユニコーンがゴーレムの前でステップを踏む。
ゴーレムは目の前で飛び跳ねるユニコーンを目で追い、やがて頭から転げる。
その姿に可奈美は思わず微笑み、両手を添えてゴーレムを起こす。
「ほらほら。頑張って」
ゴーレムは、助け起こしてくれた可奈美を見上げ、頭を掻く。指輪の頭部をクルクルと回転させている。
「コイツ……もしかして照れてる?」
ハルトがボソッと言った一言。
それは、
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