新しい使い魔
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奈美は、ゴーレムの足元に両手を添えた。組み上がったそのゴーレムは、ストンと可奈美の手に落ちた。
「これって……」
「使い魔だね」
「それじゃあ、ガルちゃんたちと同じ?」
「そういうことかな。可奈美ちゃん。指輪をここに」
ハルトは、完成したゴリラのようなプラモデルの頭部を指差した。
可奈美は頷いて、指輪を頭部の窪みにセットする。すると、可奈美の手の上で、ゴーレムが動き始めた。
「おおっ……!」
「新しい使い魔か……よろしくね」
「珍しいね! ハルトさん、指輪一杯持ってるけど、使い魔はガルちゃんたち三体だけでしょ?」
「そうだね。名前つけなきゃな」
「うーんそうだね……それじゃあ、カッタナー」
「不採用。刀を伸ばしてんじゃないの」
「えー」
可奈美は口を尖らせた。
そんな彼女を無視して、ハルトは続けた。
「普通にゴーレムでいいよ。紫だから……バイオレットゴーレム」
「可愛くない」
「いいの。可愛くなくて」
ハルトはそう言って、ベッドから立ち上がる。
頭を掻きながら、机の端に置いてある指輪を掴み上げ、ベルトに当てた。
『ユニコーン プリーズ』
すると、ハルトの前に、今度は青いランナーが出現した。
これまた同じように自動でパーツが分解され、組み立てられ、形となる。
今度は馬。頭に角が付いたユニコーンの姿をしたプラモンスター、その胸元に指輪を挿入する。
すると、いななきとともに、プラモンスター、ブルーユニコーンが動きだす。
「それじゃあ、ユニコーン。新しい使い魔だ。ファントムの探し方とか、色々教えてあげて」
ハルトの命令に、ユニコーンは分かったと言わんばかりに再びその鳴き声を上げる。
ユニコーンはそのまま、ゴーレムを外へそそのかした。
「はい、可奈美ちゃん。そっちの指輪も、返して」
「ああっ……」
そう言いながら、ハルトは可奈美の手からもう一つの新しい指輪を取り上げた。腰のホルスターに付け、ゴーレムを見下ろした。
だが、ゴーレムは首を振っていた。
「ん? どうした?」
「もしかして、外に出られないのかな」
可奈美はゴーレムと目線を合わせながら尋ねた。
「だったら、わたしこの子を外に連れ出してくるよ」
「いいけど……ちょっと待って。俺も行くよ」
さすがに使い魔の初仕事の門出に寝ているわけにはいかない。
そう判断したハルトは、大急ぎで着替える。早めに歯磨き等の身だしなみを整え、可奈美が待つ一階のリビングルームに降りる。
「あれ? 可奈美ちゃんいない……」
「あ! ハルトさん、おはよう!」
リビングルーム、そのテーブルに、朝食のハムエッグを食べている少女がいた。
今日も元気いっぱい
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