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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第二百七十話
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の世の禁忌にして、人類の夢の実行。

そのゲートから何かが出てくる。

人だ。

青年と、少女だ。

「ふふ。やはりそうなるか。安心したよヒーロー」

八九寺真宵、人を道に迷わせる怪異。

どうあっても家に帰れぬ迷子の少女。

「ようお前様」

横たわる暦さんに、我が姉上が歩み寄る。

石畳に膝をつき、暦さんの頭をスッとなでる。

「阿保が、心配させおって…。しかも少女を一人地獄から融解してくるとは無茶苦茶じゃのう」

「なぁ忍、これってどう考えてもマズいよな?」

と少し後悔するように尋ねる。

「これでまた八九寺は”くらやみ”の発動条件を満たしてしまったんじゃ…」

くらやみは怪異の本分を外れた怪異を処理する”現象”だ。

「そこがこよみんのファインプレーだと言っている」

少し怒ったような、それでいて褒めるような口調で臥煙が答える

「こよみんのミラクルのおかげでここから先の勝負をいくらか優位に進められそうだよ」

優位どころではない。

神になりうる存在。

今の盤面において八九寺真宵はジョーカーだ。

必勝の切り札と言っていい。

さて、暦さんの盤面はすべての手札が揃っただろう。

あとは勝つだけだ。

だが、俺の盤面はどうだろう。

俺は勝てるだろうか。

手札も足りない。情報も足りない。ジョーカーもない。

ぶっちゃけ俺が勝負に参加する必要もない。

だが、こっちもこっちでひと目見たい。

一度会ってみたい。

だから行く。

けどやっぱり、暦さんの盤面も見届けたい。

これはある意味義務だ。

だから、なるべく俺の盤面は一日で終わらせよう。

「来い。カンヘル」

少し浮いて、カンヘルを量子展開する。

アームドアーマーDEも、クアンタのバインダーをベースにしたアームドアーマーも全て装備したフル装備状態だ。

マスクが閉じ、視界にモニターが映る。

「一夏君?」

目の前でISを起動され、暦さんがうろたえる。

「どうやら彼女のターゲットにきちんと俺も入っていたらしい。
急用ができたから少しヨーロッパまで行ってくる」

一度マスクを解除し、顔を見せる。

「14年間の、全てのカオスにケリを付けて来い。阿良々木暦」

カンヘルの指でのグッドラックのハンドサインと共にそう言い残し、俺は量子ワープでドイツへ跳んだ。
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