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ドリトル先生とめでたい幽霊
第九幕その二

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「そうなるんですね」
「そうだよ、けれどね」
「最後はですね」
「術を取り戻して」 
 そうしてというのです。
「また空を飛べる様になるんだ」
「そして十勇士にですか」
「その前から入っていて一時出奔していて」
 そしてというのです。
「石川五右衛門と対決したり恋人と再会したりで」
「色々ですね」
「そこで関ヶ原が近いと聞いて」
「そうしてですか」
「空を飛んでね」
 そのうえでというのです。
「幸村さんのところに戻るんだ」
「何かそこからも楽しみですね」
「そうだね」
「ですがそれは」
「本当に織田作さんは若くして亡くなっているから」 
 そのせいで、というのです。
「残念だけれどね」
「そういうことですね」
「そうなんだ」
「というかね」
 ホワイティはとても残念なお顔で言いました。
「織田作さんってそのことが問題だよね」
「若くして亡くなったからね」
「三十四歳でね」 
 チープサイドの家族も残念なお顔です。
「だからね」
「残された作品もね」
「多作だったっていうけれど若くしてだったから」
 ポリネシアもしょげています。
「どうしてもね」
「長生きした人より作品は少なくて」
 老馬も頭を落としています。
「そして続編があって欲しいってお話もそのままで」
「未完の作品もあったんだよね」
「そうだよね」
 オシツオサレツはこのことをお話しました。
「書いている途中で取材で東京に行って」
「そこで亡くなっているからね」
「何で結核になったのか」 
 ジップはこのこと自体を残念に思っています。
「悔やんでも悔やみきれないよ」
「学生時代になってずっと苦しんでね」
 トートーは悲しい声を出しました。
「それで若くしてなんて」
「結核が助かる病気になって栄養をしっかり摂ればかかりにくいけれど」
 無念のお顔で、でした。ガブガブは言いました。
「残念なことよ」
「その猿飛佐助も続編がありそうなら」
 チーチーは心から思いました。
「長生きして書いて欲しかったよ」
「心から思うね」
 ダブガブも今はいつもの陽気さがありません。
「長生きして欲しかったよ」
「僕も同じ考えだよ」
 先生も悲しいお顔です。
「本当にね」
「長生きして欲しかったね」
「織田作さんも」
「そうだよね」
「うん、あと今日は真田丸の跡地にも行って」
 そしてというのです。
「それで目洗い神社にも行こう」
「目洗い神社?」
「そこも織田作さんに縁があるんだ」
「そうなの」
「うん、真田丸も幸村さんに関係があるね」
 このことからお話するのでした。
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