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レーヴァティン
第二百四十二話 文献にあるものその二

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「そうだよな」
「はい」
 まさにとだ、夕子が答えた。
「この浮島で予言やそうしたものはです」
「一番正確だよな」
「アポロン神の力がそのまま宿っていて」 
 この神は医療や音楽だけでなく予言も司っているのだ、その神の予言の力がそのまま宿っている場所であるのだ。
「時にはアポロン神自体がです」
「姿を現してだよな」
「神託を授けてくれます」
 そうしてくれるというのだ。
「あの場所は」
「そうだな、それで嘘もだよな」
「アポロン神は誠実な神です」
「嘘を言う神もいるけれどな」
「ギリシアではヘルメス神ですね」
「あの神様は策謀も使うしな」 
 その為ゼウスの軍師役を務めてもいる。
「だからな」
「詐術も用い」
 口車どころかである。
「そうしてです」
「嘘を吐きもするな」
「アポロン神はギリシアの神なので人間的ですが」
 ギリシアの神々の特徴である、彼等の性格は非常に人間的である。これはいい意味でも悪い意味でもである。
「しかしです」
「それでもだよな」
「嘘は吐きません」
「基本的にな」
「特に予言のことでは」
「そうした神様だな」
「そこがヘルメス神と違い」
 よく嘘を吐くこの神とはというのだ。
「北欧ではオーディン神やロキ神ともです」
「あの神様達は特に嘘を吐くな」
「よくロキ神が言われますが」
「オーディン神もな」
「常に嘘を吐き」
「契約も破ろうとするしな」
「そうした逸話もあります」
 こう久志に話した。
「ですから」
「それでだよな」
「中々信用出来ないものがあります」
「そうだよな」
「ですがアポロン神の神託はです」
 デルフォイのそれはというのだ。
「時が来ればです」
「必ず授けてくれるか」
「ですからこの度もです」
「聞くべきだな」
「はい」
 夕子は久志に一言で答えた。
「そうすべきです」
「それじゃあな」
「神託を伺いにですね」
「人を送るな」 
 その様にするというのだ。
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