第17話 炎の忍者
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語っている。ライダーマンG達の勝利は、目前に迫ろうとしていた。
「……調子に乗るなガキ共がァァアァッ!」
「きゃぁあッ!?」
「遥花さんッ!」
その光明を吹き飛ばすかの如き絶叫が天を衝いたのは、ベルトから黒煙が上がった直後であった。それまでの丁寧な口調から一転して、獰猛な声を上げ始めたマティーニは、怒りのままに後ろ回し蹴りを放つ。
咄嗟に回避しようと飛び退いたライダーマンGは、その蹴りの「余波」だけでパワーアームのハサミをへし折られてしまうのだった。怒り狂うマティーニの「本気」を目の当たりにした若者達は、その迫力に固唾を飲んでいる。
「……諸悪の根源たる旧シェードの技術に縋ってまで、あなた達の抹殺を決意したというのに。この忌まわしき力を借りてもなお、我々は追い詰められねばならないというのですか。何たる不条理、何たる理不尽ッ!」
「こ、こいつ何を……!?」
「もはやあなた達全員の首を並べても、私の苦しみを癒すには足りません。しかしそれすらも叶わぬようでは、我々ノバシェードの痛みも永遠に消え去らない! あなた達全員……迅速なる死罰を以て、その大罪を贖いなさいッ!」
口調こそ戻りかけてはいるようだが、もはや会話が成り立つような状態ではなくなっていた。それほどまでに、仮面ライダーマティーニは――明智天峯は、自分達を追い詰める人間達の「正義」に怒り狂っているのだ。
人道という普遍的正義の名の下に、改造人間を徹底的に差別して来た人類の業。その犠牲となった大勢の被験者達の無念と、非業の死を知るが故に。
「ま、まずい……! 天塚さん、山口さん、下がって! そいつの前に立っちゃダメぇッ!」
「……ぬぁあぁああーッ!」
もはや、なり振り構ってはいられない。そんな胸中を吐露するかの如く、マティーニは戦いの中で擦り切れた黒のマントを投げ捨て、「本気」の反撃に出ていた。
「ぐぁあッ!」
「天塚ッ! ……あぐッ!?」
宙を漂うマントがぱさりと地に落ちた時には、すでに炎は頭を掴まれ、マス・ライダー目掛けて投げ飛ばされていたのである。両者の頭部が激突した瞬間、マス・ライダーこと梶の仮面が一瞬で砕け散っていた。
彼らの反射神経を以てしても反応し切れなかったその速攻に、2人は数秒も経たないうちに意識を刈り取られてしまったのである。マス・ライダーにぶつけられた炎こと春幸も、気絶したことにより変身を強制解除されている。
「天塚さん、山口さんッ……! ……明智、天峯ぉおおぉッ!」
「……今までが異常だったのですよ。本来ならば本気になった改造人間に、生身の人間が敵うはずがないのです」
その光景に激昂するライダーマンGは、恐怖も忘れてマティーニの背後に突撃していく。防御も回避も捨て、攻撃にのみ全神経を注ぐ彼女
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