第15話 冒涜的な変身
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事達が全身全霊を込めて放った一斉攻撃により、ゴールドフィロキセラという怪人はついに粉砕されたのである。その瞬間を目撃したライダーマンGは、歓喜に拳を震わせていた。
「まさか、こんなまさか……! 類稀な自己再生能力を有する私のボディが、人間の装備で……!」
「確かにその能力は厄介だったよ。……長期戦に持ち込まれていたら、俺達に勝ち目はなかったかもねぇ」
「薬師寺と久我峰……そして遥花が、勝たせてくれたのさ。改造人間だけが、『仮面ライダー』じゃねえってこった」
「さぁ、大人しく投降してくれ。お前さえ降参してくれれば、この戦いもようやく終わるんだ」
ボクサー達もすでに力を出し尽くしてはいたが、天峯の消耗はそれ以上のようだった。自己再生能力が追いつかないほどの強力な攻撃を続けざまに浴びせられ、彼はもはや満身創痍となっている。都市迷彩の戦闘服も、ボロボロに黒ずんでいた。
「……投降? ふっ、笑わせてくれますね。今さら私達があなた方の軍門に降ったところで、わざわざ生かす理由などないくせに」
「なんだと……?」
「生憎ですが、私は禍継や蛮児ほど潔くはなれません。それがどれほど醜く、惨めで、誰の同情も得られない悪路であろうとも。そこにしか生きる道がないのであれば、私は進み行くのです」
だが、それでも彼は負けを認めることなく、薄ら笑いを浮かべている。
そう。武田禍継や上杉蛮児がそうだったように。彼にもまだ、「奥の手」があるのだ。
「……!」
「南義男……と言いましたか。あなたの一撃、大変よく効きましたよ。おかげさまで、私の自己再生機能にも異常が出てしまったようです。もう私も、前ほどタフではいられませんね」
傷付いた身体を引きずり、ゆらりと立ち上がる彼の腰には。すでに、これまで猛威を奮って来た旧シェード製のものと同じ「変身ベルト」が装着されていたのである。
しかもそこに装填されているボトルからは、ニコラシカやギムレットのものとは比べ物にならないほどの禍々しさが漂っていた。ボクサーをはじめとするライダー達が、無意識のうちに身構えてしまうほどに。
「ですが、構いません。傷を癒す力など、『これ』を使うと決めた以上はもう必要ないのですから」
「明智天峯! それ以上動くな――」
これから起きること。それを本能的に察したtype-αは我に帰ると、天峯の行為を阻止するべくマルチシューターの銃口を向ける。
だが。その時にはすでに、ベルトのレバーは倒されていた。賽はもう、投げられていたのである。
「――変身」
一瞬だった。
「ごぁッ……!?」
「ぐぅあッ……!」
天峯のベルトが眩い輝きを放ち、彼の全身を包み込んだかと思うと。その光の膜を突き破るように飛び出して来た「影」が、目にも留
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