第10話 並び立つ猛者達
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上杉蛮児の「変身」を皮切りに始まった「第2ラウンド」は、一方的という言葉では足りないほどの惨状であった。
仮面ライダーニコラシカこと、武田禍継のような技巧など全くない、シンプルな暴力。ただ力任せに拳を振るい、蹴りを放つだけの粗雑な攻撃。にも拘らず、仮面ライダーギムレットの猛攻はイグザードとオルタを圧倒していたのである。
2人がすでに必殺技を出し尽くし、消耗しきっているのをいいことに。彼は技とも言えない大振りな鉄拳で、疲れ果てた戦士達を痛め付けていた。
「ぐぉあぁあッ!」
「うぐぅッ……!」
「んン〜……圧倒的な力で何もかも踏み躙るこの感覚、たまんねぇなァ。散々俺達を差別して、世界の端へと追いやってきた人間共が今やこのザマ! 感動的だねぇ……」
戦いそのものを冒涜するかのようなギムレットの攻撃に倒れる、イグザードとオルタ。その様子を冷酷に見下す白銀の戦士は、ベルトのボトル部分を捻り、エネルギーを右腕に凝縮させていく。
「……じゃあそろそろ、そんな人間共に相応しい最期ってヤツをくれてやるぜ。脳味噌ぶちまけてくたばりなァッ!」
「くッ……! 都、椿と桜を頼むッ……!」
やがて力強く握り締められたその拳は、辛うじて立ち上がろうとしているイグザードとオルタに向けられていた。2人にはもう、それを回避出来るだけの余力などない。
イグザードこと竜胆はただ、最愛の妻に娘達の今後を託すことしか出来なかった。
「スワリングッ……ライダァアッ! パァァンチッ!」
「……!?」
そして、ギムレットの右腕から放たれる最大火力の鉄拳が、2人を外骨格ごと吹き飛ばそうとしていた――その時。
「うぐッ……ぁぁぁああッ!」
「ひ……東方ァッ!」
「東方さんッ!」
2人を庇うように飛び込んで来た仮面ライダーアルビオンが、己のギガントアームズを盾にしたのである。巨大な機械腕すらも一撃で粉砕する鉄拳を真っ向から喰らった彼女は、激しく宙を舞い地面に叩き付けられてしまうのだった。
あまりの威力に気を失ってしまったアルビオンに駆け寄り、イグザードとオルタは即座に応急処置を始める。その様子を眺めているギムレットは、感心したように口笛を吹いていた。
「ヒュウ……完全にぶち殺したと思ってたんだがな。あの女、まぁだ生きてやがるのか。良いねぇ、ちょっとやそっとで壊れねぇ女は嫌いじゃねぇぜ。俺のものにしてや――?」
身を挺して仲間達を守り抜いた、アルビオンこと百合香に興味を示したギムレットは、彼女を手に入れようと静かに歩み出していく。すると、そんな彼の行手を遮るかのように、1台のGドロンが停車して来た。
そこから降りて来た「新手」の戦士は、メタリックレッドと金色の装甲で全身を固
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