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ドリトル先生とめでたい幽霊
第八幕その十二

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「明日は玉造の方に行こうね」
「玉造?」
「明日はそちらに行くんだ」
「そうするんだ」
「そうしよう、あちらもね」
 玉造もというのです。
「実は近くに織田作さんに縁があると言えばね」
「あるんだ」
「そうなんだ」
「そうした場所なんだ」
「うん、ただ作品の主人公に縁がある」
 そうしたというのです。
「人なんだ」
「そうなの」
「前にも玉造に行って」
「それで真田幸村さんの像見たね」
「そうだったね」
「結構前だったけれど」
「その人なんだけれどね」
 その縁のある人はです。
「また見に行こうね」
「うん、それじゃあね」
「明日は幸村さんだね」
「あの人の像を見に行くんだ」
「もう一度」
「そうしよう、あの人も実は大阪にいたこと長いしね」
 そうだったというのです。
「大坂の陣の時以外にもね」
「あれっ、そうだったんだ」
「あの人大坂の陣で有名だけれど」
「あの時だけじゃなかったんだ」
「その他の時にも大坂にいたの」
「秀吉さんの頃にね」
 この人が天下人だった頃にというのです。
「そうだったんだ、実は故郷の上田にいるよりも」
「大坂にいた方が長い」
「そうだったんだ」
「それは意外だね」
「これまた」
「そんなことだったなんて」
「面白いね、そして大名でもあったんだ」
 このこともお話するのでした。
「実はね」
「へえ、大坂の陣じゃ浪人でね」
「長い間高野山にいたけれど」
「その前は大名だったんだ」
「真田家の次男だったからね」 
 その立場だったからだというのです。
「お父さんとお兄さんがいてね」
「ああ、お兄さんがお家を継いで」
「それで分家の形でなんだ」
「幸村さんも大名だったんだ」
「そうなっていたんだ」
「そうだったんだよ、それが大坂の陣で西軍についたから」
 それでというのです。
「お父さんと一緒に摂り潰されて」
「大名じゃなくなったんだ」
「そういえば幸村さんその時も西軍だったよ」
「大坂の陣の時もそうで」
「家康さんとは特に怨みもなかったみたいだけれど」
 それでもというのです。
「お家の関係や大坂の陣の時は浪人で」
「どちらの時も西軍で」
「家康さんと戦う立場で」
「家康さんと戦ったんだね」
「そうだよ、その幸村さんに縁がある人のことを書いていたから」
 それでというのです。
「明日は幸村さんのところに行くよ」
「わかったよ」
「じゃあ明日はそちらに行こう」
「その人が誰かも気になるし」
「それじゃあね」
 皆も頷きました、そうしてでした。
 皆はお家に戻りました、先生の織田作さんそれに大阪についての学問はさらに進んでいくのでした。
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