特別編 ウルトラカイナファイト part11
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剥がされている傷口から喉奥へと突き刺さり――黒き怪獣の巨体を、内側から木っ端微塵に吹き飛ばしてしまう。
誰の目にも明らかな、ウルトラマンエナジーの完全勝利であった。
「エナジーが……エナジーが勝ったでぇえ!」
「よっしゃあぁあ! エナジー、おおきにっ! 今度タコ焼き奢ったるでぇえっ!」
その勇姿に拍手と歓声を送る市民を一瞥した後。エナジーは空を仰ぎ、中国支部の爆撃隊と視線を交わす。
『なかなかやるじゃない、ウルトラマンエナジー! ……まっ、中国支部最強のエースパイロットであるこの私が付いてるんだもの! 当然の結果ってところかしらっ!』
『やれやれ、ナビゲーターの僕達が居てこその戦果だというのに。いつものことながら、ワンマンな隊長様には困ったものだね』
『う、うるさいなー! カッコ良く決まったところなんだから、水差すんじゃないわよ劉静っ!』
編隊の先頭を翔ぶBURK烈龍に搭乗していた、黒髪を三つ編みリングに纏めている爆乳美少女――凛風は、勝ち気な笑みを浮かべてエナジーに敬礼を送っていた。
一方。彼女の副官として、BURK烈龍の機体後部にある指揮官席に座していた「男装の麗人」――劉静は、そんな隊長の自信過剰な振る舞いに苦笑を浮かべている。こうして凛風が調子に乗るたびに、彼女をはじめとする部下達が釘を刺しているのだ。
『……兄さん達やアーク達も、そろそろ決着を付けた頃だろうな。少し飛ばして行くか……デアァッ!』
このような状況でなければ、ほんの少しは彼女達のように勝利の余韻に浸れたのだろうが。今は、カイナの元に駆け付けテンペラー星人を討つのが先決。
エナジーはすぐさま、両手を上に突き出して空へと飛び立ち、人々に見送られながら大阪を後にするのだった。爆撃機隊の隊長である凛風の、熱い視線を背に浴びて。
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