特別編 ウルトラカイナファイト part9
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「きゃああぁあっ!」
「な、なんでこんなところに怪獣が!? 墨田区に集まってるって話じゃなかったのかよッ!」
「知るかよ! あの怪獣……気が付いたらもう居たんだッ!」
「ウルトラアキレス……早く、早くなんとかしてくれぇッ!」
東京都大田区、羽田空港。その広大な飛行場に突如出現した宇宙恐竜ゼットンの姿に、居合わせた空港関係者や避難民達は阿鼻叫喚となっていた。
テンペラー星人によるテレポートによって転移して来た、漆黒の怪獣。その異様な電子音と鳴き声は、外観以上の悍ましさを齎している。
『トロイレーザーッ!』
飛行場に急行し、そのゼットンの相手を務めていたウルトラアキレスは、頭部のビームランプから細い光線を発射する。だが、ゼットンは避けようともせずに彼の光線をそのまま胸で受け止め、吸収してしまった。
『くッ!?』
間髪入れず、ゼットンは吸収したトロイレーザーのエネルギーを利用し、両腕からの波状光線を発射する。真横に転がり辛うじて回避したアキレスは、即座に頭部の宇宙ブーメラン「アキレスラッガー」に両手を添えた。
光線技が通用しないのならば、物理攻撃に切り替えるしかない。
『さすがはあの宇宙恐竜、と言ったところか……なら、これはどうだッ!』
これまで、何体もの怪獣を切り裂いて来た必殺の刃。その一閃を以て決着を付けるべく、アキレスは渾身の力で宇宙ブーメランを投げ付ける。
今までの相手なら、確実にこれで仕留めていた。だが、初代ウルトラマンすらも屠る宇宙恐竜の雷名は、伊達ではない。
『なにッ……!?』
全身に展開されたバリヤーによって、アキレスラッガーはいとも容易く弾き返されてしまったのだ。何の成果も得られずに宇宙ブーメランが戻って来た瞬間、ゼットンの反撃が始まる。
『うおあぁあッ!』
不気味な鳴き声と共に、顔面の発光器官から連射される――1兆度の火球。その猛雨に晒された飛行場は焼け野原と化し、直撃したアキレスは一瞬のうちに満身創痍となってしまう。
連射が終わり、黒煙が晴れた頃には。彼の全身を守っていたプロテクターに、亀裂が入っていた。胸部のカラータイマーはすでに、危険信号を発している。
「ひ、ひぃいい……!」
「お、俺達、助かるのか……!?」
ゼットンがターミナルを背にしていたおかげで、そこにいる避難民達は巻き込まれずに済んだのだが。もし射線にそこが含まれていたら、大勢の人間が施設ごと蒸し焼きにされていただろう。
『くッ……このまま、倒れるわけには……ぐぁッ!』
傷付いた身体に鞭打ち、片膝立ちの姿勢からなんとか立ち上がろうとするアキレス。そんな彼を容赦なく殴り倒すゼットンは、とどめを刺そうと再び火球の発射体勢に入ろうとしていた。
すると、そ
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