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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
馬鹿にするやつは許さない話
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れねぇナ!」

隣で見守っていたお栄ちゃんも、一緒に戦ってくれる。
負けられない。負ける訳にはいかない。

「さぁ来たまえよ。美しい自己犠牲とかいう三文芝居を見せられてイライラしてるんだ。足掻いてみろ!!黄衣の王!!」



?


結局のところ、多大な犠牲を払いつつも僕達は『這いよる混沌』を退けることには成功した。
そう、あくまで退けただけ。
完全に倒しきることは困難であり、やつは今もどこかで人間の醜さを見たいがために何かを企んでいるに違いない。

さて、ヒポグリフに乗って昔のことを思い出して感傷に浸っていたが、家までもうすぐだ。

「行くよヒポグリフ・リリィ。スピードアップだ。」
「ぴぃ!!」

リリィのスピードが上がる。
このまま家まで直進だ。
きっとお栄ちゃんの事だ。
遅くなったら遅くなったらで「いつもより帰りが遅いナァ。そうだ、今日はその遅くなった分かける十分で寸止めしてやろうかい?」とか言い出すに違いない。

そうしてもっとスピードをあげようとした時、

「!!あぶない!!」

茂みから突然、人影が。
このままではぶつかる。そう思いヒポグリフ・リリィを止めようとした次の瞬間

「ぴ…」
「な…っ!?」

鮮血が舞う。
なんとヒポグリフ・リリィの翼が、切り裂かれた。

「ぐっ!?」

飛行能力を失い、ヒポグリフ・リリィはそのまま落ち、投げ出された僕は派手に転がって土汚れまみれとなった。

「いたた…。」

身体中が痛むも、折れてはいない。
そしてすぐさま立ち上がり、僕はやって来た人影を見やる。
ぶつかる直前、きらりと光るものが一瞬見えたんだ。
間違いない。刀だ。

出会ったのは偶然じゃない
奴は、最初から斬るつもりで来たんだ。

「誰!?」

叫ぶも、応答はない。
街灯もなく、ただ暗いこの辺りは人の顔は確認しづらい。
かろうじて見えるのは三度笠をかぶった和服の男。
間違いない、こいつらはサーヴァントだ。

「おまんが、葛城舞じゃな?」
「…」
「とぼけても無駄じゃ。情報は出回っとる。」

そうして三度笠の男は、僕の写真を見せた。
そうか、こいつも僕を…!

「わしと来い。それとおまんのサーヴァントも一緒にじゃ。」
「断る。」
「ほう、なら…。」

僅かな光、月明かりに照らされ血に濡れた刀が光る
斬られたヒポグリフ・リリィは…どこかに行ってしまった。
逃げる術はない。
家に着く前に、きっと僕はこいつにおいつかれてしまう。
なら、

「その手足、貰っておこうかのぉ!!!」

戦うしかない!!

カリゴランテの剣を描き、手に取る。
刃は分離し、鞭のように振るって三度笠の男に攻撃を試みる。

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