第二部 1978年
ミンスクへ
褐色の野獣 その3
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
日本語のできる工作員も居る様だ……
彼は、正面を向くと、こう伝える
「良かろう。俺もこんな所で雑兵ごときに殺されては詰まらぬからな」
暫く、其の儘で待つと、年代物のセダンが近寄ってくる
外交官ナンバーの付いたソ連の高級国産車、チャイカ
脇に止まった車を見ていた彼は、男達に押さえつけられる
抵抗する間もなくトランクに、手荒く投げ入れられ、勢いよくドアを閉められる
車は、轟音を上げながら、西ベルリン市内を後にした
ソ連邦各構成国のKGBから選抜された特殊工作員
彼等をもってして、「木原マサキ」誘拐作戦は実行に移された
丁度、西ベルリン市内に居た彼を誘拐し、ソ連大使館公用車に乗せ、連れ去るという策は成功した
しかし、連れ去るまでの過程を、西ベルリン市民に見られてしまう
その失態を犯しても、猶、ソ連共産党は木原マサキという人物を欲しがったのだ
乗り心地の悪いソ連車のトランクで、じっと身をひそめるマサキ
彼は、停車した際の話声を聞き入る
チェックポイント・チャーリーを超えて、東ドイツに入る手続きをしている所であることが分かった
恐らく、奴等の大使館に連れ去らわれるのであろう
これでは、然しもの彩峰達も、外交特権とやらで手出しは出来まい……
万が一のことを想定し、位置情報機能のある携帯次元連結システムの子機から、美久に連絡を入れる
何かあった時の為に、ゼオライマーを瞬時に転送出来る様、操作し、次に備えた
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ