第18節「強襲」
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ャロルの計画を止めてやろう」
丁度その時だった。
グリムさんのポケットから、スマホの着信音が鳴り響く。
「私だ」
『おいマスター、あいつら動き出しやがったぞ!』
ガラの悪い、焦ったような男の声が響く。
「ッ!そうか……分かった。すぐに向かってくれ。もはや加減はしていられないぞ」
『分かってるっつーの。あのゲス女、全力で潰せば良いんだろ』
『ダイン、口が悪いですよ』
咎めるように、落ち着きのある爽やかな声が割り込む。
通話の相手は1人ではないらしい。
『だけどよシルヴァ、今回のはダインの言う通りだろ』
『……オレも、同意見……。でも、あの子たち、強い……』
尊大な声と、カタコトな声。全部で4人分の声が、何やら言い争っていた。
『なら、ド派手にカマしてやりゃあいい。この前のリベンジマッチと洒落こもうじゃねぇか』
『やられっぱなしは性に合わねぇ、次こそ決着付けてやるぜ!』
『落ち着きなさい!我々の使命は、彼女達との決着などではない筈です!』
『……マスター、指示を。今回、オレ達、どう動く?』
2対2で意見が対立する男達の声。
グリムは少し考えて、それから静かに応えた。
「命令。優先すべきは、あくまで人命。これだけが絶対遵守だ。……それだけを遵守できるなら、君達の思うがままに動くがいい」
『ッ……!』
グリムからの命令に、一瞬の沈黙が走る。
だが、やがて4人は声を揃えて、忠誠を誓った主のオーダーに応じた。
『仰せの通りに!!』
「今のは……?」
グリムがスマホを下ろすのを見て、翔は声をかける。
「私の、自慢の息子たちさ」
「息子たち……?」
「ああ。血は繋がっていないが……私を支え続けてきてくれた、素晴らしい子達だよ」
そう言って、グリムは誇らしげに微笑む。
その目尻に、どこか悲しそうなものを隠しながら。
「……火急、君も支度したまえ。急がなければ間に合わないぞ」
「急ぐって……何処へ?」
「愚問。君の仲間の元に決まっているだろう」
「ッ!?」
驚く翔を他所に、グリムは白衣を翻す。
「思っていたより早かった。今頃、キャロルはS.O.N.G.本部に強襲をかけているだろう」
「今の本部には……」
「十全の状態で戦える装者が居ない。そうだろう?」
「ッ!?どうしてそこまで……」
まるで、翔の考えを読んでいたかのように答えるグリムに、翔は険しい表情を浮かべる。
しかし、グリムは応えない。
ただ、口を真横に結んで、翔の顔をじっと見つめているだけだ。
「君の鎧、RN式イクユミヤは
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