特別編 ウルトラカイナファイト part4
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行かないらしい」
周囲の遺体袋に神妙な眼差しを向けながら、ゆっくりと立ち上がった彼の名は――椎名雄介。4年前、アキレスに次ぐ「第3の新人ウルトラマン」として戦っていた過去を持つ男だ。
現在は「後輩」となるウルトラマン達を支えるため、BURKの専任分析官を務めているのだが。彼はこの戦いによる基地の崩落に巻き込まれ、死亡したはず。「人間」であれば、蘇ることなどありえない。
「俺にはウルトラマンとして、やらねばならないことがある。……そういうことなのだな」
「ザイナスキー」と呼ばれる、銀色の鍵を模したペンダント。彼の「変身アイテム」であるそれが、首に下げられていたこと。
そして、「イカロスの太陽」による人工のウルトラサインが、「自分達」に助けを求めていること。その二つが、答えであった。
専任分析官という役割では、先輩の窮地を救うことは出来ない。再び己自身がウルトラマンにならねば、この地球を守り抜くことは出来ないのだと。
「し、椎名さん……どうして……!?」
「ご無事、だったのですか……!?」
「お前達こそ、よくあの崩壊から生き延びたな。『生還こそ勝利』という俺の教えも、無駄ではなかったらしい」
崩落の際に自分達を突き飛ばし、身代わりとなって瓦礫に潰されていたはずの雄介が。生前と変わりない姿で、蘇っている。
その奇跡を目の当たりにした匡彦と悠兎が驚愕する中、雄介は生存者達を生き埋めにしている巨大な瓦礫を仰いでいた。
「江渡、真壁、それに小森巡査……生存者の捜索、ご苦労だった。瓦礫の排除なら、この俺に任せておけ」
「ま、任せろと言われても、この大きさじゃあ……!」
「……ザイン・イグニッション!」
やがて、ユウタロウの言葉を遮るように叫びながら。雄介はその胸にザイナスキーを突き刺し、ウルトラマンの力を「解錠」する。
眩い輝きが「鍵」を中心に広がって行き、掌を掲げる真紅の巨人が「ぐんぐん」と顕現したのは、その直後であった。
「な、なんだと……ま、まさか!?」
「椎名さんが……!」
「ウルトラマンッ……!?」
目を覆うような光が収まり、3人の視界が戻った時には。すでに彼らの眼前には、かつて地球を救った「第3のウルトラマン」が出現していたのである。
その巨躯を仰ぐ匡彦達は、自分達の理解を超えた光景に言葉を失うばかりであった。
――アイスラッガーのような突起物。曲線的な「凹み」がある頭部、胸部から肩まで伸びている、金と銀のプロテクター。全身を走る直線的な銀線と、その両端部の銀円によって彩られた、電子回路のような模様。
どこか「メカニカル」な印象を与えている、レッド族のウルトラ戦士。それはまさしく、4年前にこの地球を救った第3の勇者
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