やっぱり僕は歌が好き 第四楽章「性格の悪い者選手権開催」
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士がね、一般人にいちゃもん付けたんだってさ」
「い、いちゃもん……ですか」
「うん。しかもね、口論の末負けて、思わず斬り殺そうとまでしたんだってさ」
「そ、それは……い、一大事ですね……」
「しかも詳しい内容は、その一般人ってストリート・ミュージシャンなんだって。で、中央公園で活動してるんだけど、それを商売として取り締まろうとしたそうなんだ。ほらあそこは商売禁止じゃん。ストリート・ミュージシャンも少額ながら金銭を受け取るじゃん。だからあそこで音楽奏でるのダメって言ったらしいんだけど、口論の末ストリート・ミュージシャンは商売じゃないって結論になって、いちゃもん付けた兵士が逆上しちゃって暴力で解決しようとしたらしいんだ。 ……中央地区の警備をしてるのって、この部隊だよねぇ?」
「た、確かに小官の部隊が中央地区……並びに地区内の中央公園の警備をしておりますが……あの……そ、その様な報告は上がっておりません!!! も、勿論……昨日とは言わず以前も、その一般人との間に、多少の確執があったのかもしれませんが、小官の知る限り大きな問題にはなっておりません!!!」
「ふむ……じゃぁ只の噂かな?」
「……であると小官は確信しております!」
「部下思いだねぇ」
「き、恐縮であります」
「一応噂が出たって事で注意喚起して置くけど、音楽活動をしている人を迫害しないでほしい。勿論、法に触れる事をしてたら取り締まるのは当然だけど、音楽に関する興味の無さから差別するのは止めてくれ。そして……こっちの方が重要だけど、我が国で軍は国民を守る為に存在させている。その延長線上で王家を守ってもらってるが、納税者である国民を守る事こそが主目的である! 口論で負けてカッとなったからといって、守るべき対象に刃を向けるなどと言う所業は国王として看過できない。その点は重々注意してくれたまえ」
全員直立不動で陛下の話を聞いていた。
そして立ち去る陛下に、見事とまで言える敬礼で見送る。
ここまで伝わるくらいの緊張感だ。
あの中の一人が今回の件の関係者だ。
隊長さんを含め、隊員は誰も知らないのだろう。
知っていたら今頃皆にボロクソに詰られてるだろうに。
そんな事に思いを馳せながら1階を観察していると、我々の下に陛下が戻ってこられた。
因みに訓練してた部隊は、あまりの緊張感に襲われた為か、一時の休憩に入っていた。
う〜ん。思ってたほど面白くなかったかも?
「アンタ本当に性格悪いわぁ……」
「お前が言うな! お前がこの道標を作ったんだろが! 昨日お前が最後に、性格の悪さを発揮しなければ、僕だってこの件は穏便に済ませてたんだ」
おやおやおや、如何言う事かね?
「あれ、バレてる?」
「あの部隊に、昨日の件が通達済みなの
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