第2部
エジンベア
美少女コンテスト最終審査・中編
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何か関係があるのかもしれない。
さらに私は最悪の可能性を思い描く。
もしかしたらヘレン王女は、この門を出てしまったのではないだろうか!?
これだけ探してもいないということは、その可能性もなくはない。それに城にはユウリやアルヴィスさんもいるし、もし王女が門から出ていなくても、二人に任せておけば大丈夫だろう。
ただ、森に入ってしまえば、私の方が魔物に襲われるかもしれない。一人きりでどれだけ魔物と戦えるか、正直不安ではあるが……。
でも、そうこうしている間にヘレン王女が魔物にでも襲われたら……!!
ああもう、考えても仕方ない!! とにかく行くしかない!!
私は意を決し、城門を出て森に入ることにした。
森に入ると、私はすぐに違和感を覚えた。
この森には、何かがいる……!
もちろん霊感のない私に幽霊の気配を感じることは出来ない。けれどこの胸がムカムカするような不快感、もちろん人間が放つようなものではない。
となると、考えられるのは……。
「誰か……、誰か助けて……!!」
すると、か細い少女の助けを呼ぶ声が聞こえた。気配に気を取られるあまり、危うく人の声を聞き逃すところだった。
私は急いで声のする方に向かう。人一人が隠れられるような茂みを片っ端から調べる。すると、緑色の茂みに不似合いな、見覚えのあるピンクのドレスが目に飛び込んだ。
「ヘレン王女!!」
私はとある茂みに向かって、彼女の名前を呼んだ。途端、ピンクのドレスがびくりと一瞬震える。
「あ……!」
「よかった! 王女様、お怪我は……」
「お、遅いですわ!! わたくしが食べられたりしたら、いったいどう責任を取るつもりでしたの!?」
……うん、元気そうでよかった。
「王女様。今すぐお城に戻りましょう。ここよりはずっと安全です」
すると、ヘレン王女は思いきり首を横に振る。
「い、嫌ですわ!! あんなに沢山魔物がいたんですもの、わたくしのようないたいけな美少女があんなところにいたら、すぐ見つかって食べられてしまいますわ!!」
だからわざわざ外に出て、茂みに隠れていたのだろうか。でも、この近くにはまだ魔物が潜んでいる可能性が高い。ここにずっといては危険なのは明白だ。
こうなったら、彼女を納得させるあの言葉を使うしかない。
「大丈夫ですよ。お城にいた魔物はユウリたちが倒してくれたそうですから、そちらの方が安心です」
「まあ、さすがユウリ様ですわ!! そういうことなら、すぐにお城に戻りますわ!!」
案の定、絶望に満ちていた王女の表情が一変する。こう言うところは、年相応ともいうべきだろうか。
「でもせっかくなら、ユウリ様が助けにきてくれればよかったですわ」
こんな状態だと言うのに、口だけはいつも通りである。私はため息を
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