憑魔アンビバレンス
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ンスお姉ちゃんが助けられません……! はやてちゃんや皆の期待が……裏切り者の汚名を返上する機会が……!」
「もう手遅れです。私の中でおやすみなさい、姉妹。何もかもを忘れて、幸せな世界へ……」
「う、ぁ……」
その言葉を最後に、ツヴァイの意識は眠りに閉ざさ―――
「……と、ついさっきまではそうしようと思ってましたが……やめました」
「ふぇ……?」
無表情のまま舌を出し、頭をコツンと叩くニグレドを目の当たりにしたツヴァイは朦朧とする意識の中で困惑した。直後、ニグレドの操作でイヤホンのような形状をしたコードがツヴァイの両耳に取り付けられる。
「“私の部品を移植した”あなたにならこの手が使えます。……ちょっと色々いじりますが、我慢して受け入れてください」
「な、何を……ッ!? ひゃぎぃいいいい!!???」
ツヴァイの脳に突然、凄まじい量の情報の波が襲い掛かる。耳に刺さったコードから流れてくるその情報は、ツヴァイの全身に電撃のように痺れる感覚を与えながら、徐々に彼女の身体の自由を奪っていく。今まで違和感なく使ってきた自分の手足が指一本も動かせなくなり、リインフォース・ツヴァイの意識は頭部の片隅に無理やり押し込まれる。そのせいもあってレヴィから預かっていた装置を落としてしまうツヴァイだが、数秒後、彼女はゆっくりとそれを拾い上げた。
『うぅ……頭の中がぐちゃぐちゃにされたみたいです……って、あれ? 体が勝手に動いて……?』
「ハッキング、コンプリート。姉妹、現時刻を以ってあなたの身体は私の管轄下に置かれました」
『ふぇ!? ど、どういうことですか!? ニグレド、あなたまさか私の身体を奪ったんですか!?』
「はい。あなたの身体を遠隔操作できるようにしました。ほらこの通り、フュージョン♪ なんてこともできます」
『なんで今それやるんですか!? これ融合じゃないですよね!? って、そんなことより返して! 私の身体返してください!』
「そう慌てずとも、用事が済めばお返しします。そもそも、あなたがミッドに戻った所で状況は何も変えられません。世界を本当の意味で救うには……あなたでは役不足なんです」
『世界を本当の意味で救う? どういうことですか!? あなたは何を企んでいるんですか!?』
「……では、問うてみましょう。姉妹、あなたはこの世界を愛していますか?」
『あ、愛!? そこまで強いかどうかはわかりませんけど……流石に滅びそうな危険が迫ってきたら守ろうとする程度には好きだと思いますが……』
「では、自分の命と引き換えになってでも守りたいですか?」
『え……そ、それって……』
「仮定の話です。世界を存続させるためには自分が死ななければならないって知った時、あな
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