憑魔アンビバレンス
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…見てよ、なのは。私は自由だ……!」
消えゆく半身に手を伸ばす……でも私の手が触れるより先に、彼女の全身が灰になってしまった……。私はその灰の山を両の手ですくい上げ……震える指の隙間から灰がこぼれ落ちていった。埋もれていたレイジングハートがそこから姿を現すが、それより私の心にはとてつもない喪失感が生まれていた。
『彼女は……浄化によるダメージを肩代わりしたんでしょうか……それとも再び現実で暴れるために抗ってたんでしょうか……』
「……」
『現実では浄化が終わった頃でしょう。しかしリトルクイーンの暴虐により、マスターの身柄は今後……』
これ以上は無いって程に零落した主人の今後を憂慮するレイジングハート。一方でなのはは砕け散りそうな痛みを味わいながらも、しかしその痛みを中心に魂の欠片同士の結束が強まっていた。
「私の望む……私は……」
ゆっくりと、立ち上がる。
「どんな……時でも……」
一歩。
「どんなに……落ちぶれても……」
また一歩。
「抗った先に、何が……待っていようと……」
“ステージ”に足をかける。
「決して……諦めない」
右手を上に伸ばす。その先から降り注ぐのは、リトルクイーンを焼いたのと同じであり、そして違った暖かな光……。
「それが……ボクらの……太陽だから……!」
〜♪
アクシア・イーグレットの歌声が空間を包み、風を巻き起こす。そして精神世界を抜け出したなのはが、現実の肉体で目を開けると……
「生きて、いるな……!」
リインフォース・アインスのホッとした顔があった。だが、なのはは察していた。この後待ち受ける自らの運命が、どれほど過酷なものなのか。
それでも……目を背けたりはしない。小さくも確かなその覚悟を胸に、高町なのはは大地に立った。
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