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レーヴァティン
第二百四十話 運河の街でその十五

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「そのまま降してな」
「それでいいですね」
「帝国に入れば」
「それで、ですね」
「いいんだよ」
 こう言うのだった。
「それでな」
「ではそうしていきましょう」
「これから戦ですが」
「使えるものは全て用い」
「そしてカレリアを掌握しましょう」
「是非な」 
 こう言ってだった、久志は自分が率いる軍をペテルブルグからカレリアに進ませた、その間にだった。
 幕僚の一人が久志に話した。
「敵の村と村を互いに争わせる様にです」
「仕向けるか」
「そうしてはどうでしょうか」
 こう言うのだった。
「それぞれ仲の悪い村同士もわかっていますし」
「そこで対立を煽るか」
「噂を流して」 
 対立を煽る様なそれをというのだ。
「そうしてです」
「対立させてか」
「そこで、です」
 対立を激しくさせてというのだ。
「そしてです」
「そのうえでか」
「その争いを帝国が仲裁する」
「そうするか」
「はい、そして」
「双方に恩を売ってか」
「帝国に入る様にしてはどうでしょうか」
 こう言うのだった。
「そうしてです」
「そのうえでだな」
「帝国の勢力を拡大させてはどうでしょうか」
「争わせて仲裁するか」
「最初から争っている村同士はです」
 そうした村達はというと。
「最初からです」
「仲裁に入るな」
「そしてバイキング達は村単位で」 
 それで活動していてというのだ。
「村同士は独立していて」
「揉めることもあるな」
「彼等は一口に言われていますが」
 バイキングと、だ。
「しかしです」
「一枚岩じゃないな」
「貴族や奴隷も存在し」
「平民もな」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「村ごとにです」
「別れてるな」
「そうした社会なので」
 それ故にというのだ。
「衝突も多いです」
「その中でな」
「ならです」
「その衝突を利用すべきか」
「仲違いさせるか」 
 今以上にというのだ。
「最初からそうであるならです」
「そこを衝いてな」
「仲裁しましょう」
「それがいいな、利用して争わせてな」
「残った方を叩く」
「そうしたやり方もあるけれどな」
 夷を以て夷を制すである、毒を以て毒を制すとも言うが敵同士を争わせ共に傷付けさせる戦略である。
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