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ドリトル先生とめでたい幽霊
第六幕その七

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「災害が多いからね」
「そうした事情があって」
「古い建物は少ないんだね」
「長い歴史の割には」
「そうなのね」
「木造だから定期的に建て替えたりもするね」
 その場合もあるというのです。
「伊勢神宮にしても」
「ああ、そういえばね」
「そうしたケースもあるわ」
「木造だとそのうち壊れるしね」
「木が老巧化して」
「そうだね、だからね」
 それでというのです。
「どうしてもなんだ」
「古い建物が少ないのね」
「街並みも変わる」
「そうなんだ」
「これから通天閣に行くけれど」 
 先生は皆に次に行く場所のお話もしました。
「通天閣も二代目だよ」
「あっ、そうなんだ」
「通天閣って二代目だったの」
「大阪城と並ぶ大阪の象徴だけれど」
「通天閣もなんだ」
「そうなんだ、大阪城の天守閣は三代目でね」
 そうしてというのです。
「通天閣はね」
「二代目なんだ」
「ずっと大阪にあると思っていたら」
「実は違うんだ」
「そうなんだ、本当に時代によってどんどん変わるのがね」
 それがというのです。
「大阪であってね」
「日本の街だね」
「じゃあそうしたことも頭に入れながら」
「通天閣にも行こう」
 皆こう言ってでした。
 実際に通天閣のところに行きました、そして中に入りましたが。
 先生は通天閣の中を巡ってそのうえで大阪の街を見回しながら皆に対して笑顔でこう言ったのでした。
「初代は戦争中に焼けたんだ」
「というと空襲で」
「それでなの?」
「大阪城も酷くなったし」
「それじゃあ」
「いや、昭和十八年に近くの映画館が火事になって」
 それでというのです。
「その火が燃え移ってね」
「それでなのね」
「焼けてしまったんだ」
「戦争中に」
「それで戦後再建することになったけれど」
 それでもというのです。
「最初は出来ないとか言われてお金も集まらなかったりね」
「苦労したんだ」
「二代目を建てることについては」
「そうだったの」
「しかも初代のあった場所はもう民家が建ち並んでいたから」
 それでというのです。
「ここになったんだ」
「場所も違ったんだ」
「それは知らなかったよ」
「いや、そうした事情があったんだね」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「紆余曲折があって建てられて」
「今この場所にあるんだ」
「そうなんだ」
「通天閣にもそうした歴史があるんだ」
「今じゃ大阪の象徴だけれど」
「色々あったんだ、ただ初代にも多分ね」
 その頃の通天閣にもというのです。
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