第二章
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「僕男子だよ、それで何で」
「その顔だからだよ」
「声もいいしな」
「しかもスタイル抜群だし」
「藤井君はそれしかないわ」
こう言ってだった。
クラスメイト達は無理矢理にだった。
日向をメイドにした、彼にメイクを施して黒いロングヘアのウィッグを付けさせてメイド服を着せると。
「うわ・・・・・・」
「長身の美少女ここにあり」
「色白で毛もないし」
「脚線美もえぐいし」
ミニのメイド服とハイソックス、黒と白の絶対領域も見事だった。
「凄いな」
「何ていうか」
「これは人気出るわ」
「間違いなくね」
クラスメイト達はメイド姿の彼に思わず息を呑んでだった。
彼を店頭に立たせてそうして営業をすると実際にだった。
日向が人気になって店は繁盛した、客はひっきりなしに来て文化祭で一番人気の店となった。
日向はこのことに憮然となりながらもクラスが評判なのはいいかと思った、そうしながら働いていると。
最終日の午後に入った時にだった。
校外から乱暴な客が来て暴れだした、それでだった。
日向は無意識のうちにその客の手に合気道の技を仕掛けて後ろに回して痛くない様にして動けなくさせた、そのうえで客を静かにさせてだった。
彼を退店させた、その間あっという間だったが。
その動きを見てだ、誰もが驚いて言った。
「可愛い顔して」
「そんなことするんだ」
「何か滅茶苦茶絵になっていたわね」
「美少女がさっと合気道の技仕掛けて迷惑なお客さん大人しくさせるって」
「まさに神技だったし」
「絵になったわ」
こう言うのだった、そしてだった。
このことは話題になった、それは文化祭が終わってからもであり。
日向にこれまで以上に女装して欲しいという声が上がりそのうえで合気道の技も披露して欲しいと言われた。それで日向は困った顔になって言った。
「何でこうなるのかな」
「だってね、そのお顔だからね」
「仕方ないわよ」
「女の子がやっかむ位だから」
「可愛過ぎるのよ」
「それでも女装嫌だから」
あくまでというのだ。
「だからもう二度としないよ」
「ちぇっ、残念」
「やっかむけれど無茶苦茶可愛いのに」
「そのことは事実なのに」
「その女装が見られないなんて」
「それは残念よ」
「それでも二度としないよ」
あくまでこう言う日向だった、だが。
翌年彼はまた文化祭で女装することになった。今度は新たに開催した女装コンテストだったが無理に出場させられて満場一致で優勝となった。その時も彼は奇麗過ぎるだの可愛すぎるだの言われたのだった。
女装している時に 完
2022・2・22
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