第一章
[2]次話
言わせてみせる美女
リン=スチュワートはアメリカ人の父と日本人の母のハーフだ、日本に生まれ育って国籍は日本で両親も今は日本に暮らしている。
白い肌に黒い彫のある目に黒く波がかった長い髪の毛に細面に高い鼻とすっきりした頬を持っている。一六二程の背で胸はかなり出ていて腰は引き締まっていて背中や脚のラインは見事なものである。八条建設の事務員をしている。
その彼女が入社して一年目の後輩織部颯太を見てだった。
瞬時に心を奪われた、織部はあどけない黒目がちの大きな目に小さな唇に清潔なショートの黒髪と顎の先が尖った顔の形だ。背は一七八程ですらりとしている。
その織部にだ、リンはすぐに告白したが。
「すいません」
「えっ、駄目なの?」
「先輩のことよく知らないので」
こう答えてだった。
謝罪の為に頭を下げた、リンはこれで失恋してしまった。
だがその夜リンは同僚達に強い声で語った。
「次よ」
「また告白するの?」
「振られたのに」
「そうするの」
「一度で駄目ならよ」
居酒屋で飲みつつ言うのだった。
「二度目、二度目で駄目なら」
「三度目ね」
「もう何度でもなのね」
「告白するのね」
「そうするのね」
「百回でも二百回でもね」
それこそというのだ。
「やってやるわ、だってね」
「織部君がタイプだから」
「それでなのね」
「何度でも告白して」
「そうしてなの」
「こうなったら彼のこと徹底的に調べあげて」
出会ってすぐの告白が失敗したからだ、それならとリンも考えてそのうえでやり方を考えたのである。
「彼の好みにね」
「合せるの」
「そうするのね」
「そうしてなのね」
「絶対に彼をゲットするわ」
こう言ってだった。
彼の部署にいる親しい先輩や同期、後輩達から聞いて彼女自身も彼をよく観察してそうしてであった。
彼が料理が好きと聞くと食事は自炊をこれまでよりも多くしてその腕を磨き清楚な感じの人が好きと聞くとメイクを変えてだった。
兎角彼の好みに合わせた、そうして二度目の告白をしたが。
今回も駄目だった、それでだった。
彼をさらに見て聞いてだった。
彼の好みを知って何気に彼にその好みに合わせている自分を見せてだった。
密かに自分を意識させた、また家庭的な面も見せたりジムで身体を動かして入浴で身体も髪の毛もこれまで以上に奇麗にし。
彼が林檎の香りが好きと聞くとだった。
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