Episord of Zero
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「あー、やっちゃったなぁ.....」
「いや、任せろ!!!」
風魔法で進路を正し、更に勢いを加速させ、魔族にぶつける。
そこにいた数体は、見事消え去った。
「よしっ、まずは一勝!!!」
そう言ったすぐ後のことだった。
体躯が大きく、雰囲気の違う魔族が近寄ってきたのである。
「あいつ強いんじゃないか?」
「さあね、どの道、避けては通れないよ」
「は、はは。やっぱり強そうじゃないかな....」
アリシアが光魔法を使おうとした瞬間、そいつは凄い速さで接近した。
「危ない!!!!」
そう叫んだも間に合わず、アリシアは攻撃を喰らって吹っ飛んだ。
「アリシア!!!!」
「案ずるな、大した怪我はしていないはずだ」
見ると、レックが寸前に氷で守ってくれたらしい。
「....ありがとう」
「いや、なんでお前が感謝するんだよ」
アリシアはどうやら動けなくなっているらしい。
ここは俺達二人で何とかするしかなさそうだ。
「よし、二人で攻めるぞ!!」
「....いや、お前は後方支援だ」
「は?なんでだよ。お前一人で...」
「風魔法じゃ攻撃できないだろ。いいから任せておけよ」
「でも......」
「そう心配するなよ。いざとなったら俺が凍り付かせてやる、なんせ、俺は人類最強だからな」
「死ぬなよ、レック」
「......ああ」
敵の前に立ち、拳を氷で固める。
「俺がこいつを叩き潰す。お前は俺の拳を風で加速させろ」
「ああ、わかった」
魔族とレックはほぼ同時に走りだした。
そして、両者共に攻撃が届く範囲へと迫る。
「喰らえぇぇ!!!!!!」
勢いよく、レックが氷の拳を突き出す。
それをすかさず、風で加速させていく。
「・・・」
接近したまま、両者は動きを止めた。
氷は、確かに魔族に届いている。
そして、片方が倒れた。
立っているのは、僅かに氷の残った右手を下ろし、その場に佇むレックだった。
「倒した...?」
後ろでアリシアが起き上がって呟く。
「ああ、俺の、勝ちだ」
そう言って、レックはその場に倒れた。
「レック!!?」
二人同時に駆け寄る。
見ると、レックの腹は斜めに裂かれていて、血が流れ続けていた。
「大丈夫か!?」
焦って、そんなことを口にする。
「おいおい、これが大丈夫だって?ばーか」
掠れた声で、そんなことを言った。
「何とかして、助けられない?」
アリシアが震えた声で言う。
「悪い、俺はもう駄目だ」
「...そうか。じゃあ、何か言い残したいことは
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