勇者、始動。
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決戦の地、魔王城。
短い純白の髪に左に赤い目、右に青い目を持った勇者ルードに魔王が問う。
「なぜお前は戦う。」
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勇者となる前のルードはよくいる少年だった。
彼が五歳ほどのこと。
今日もあてもなく町中を歩き回る。
「今日のご飯は何にしようかな」
僕以外の家族はみんないなくなり、食べ物に困っているので、こうして食べるものを探して歩き回るのが日課だった。
今日はいつもと趣を変えて遠くの飲食店のごみ箱を漁ろう。家の近くだとパンしかない。こうして日毎に漁るゴミ箱の種類を変えているわけだ。こうすることでバレにくくなるし、なにより味に飽きない。
そうして、少し高価な店が立ち並ぶところにやってきた。
ゴミ箱を探して、ボロボロの服で歩き回っていた、その時だった。
「いってぇな。。。」
僕の目の前にいたのは酔っぱらった若い男だった。僕が見えなくてぶつかったのだろう。
「てめぇ何しやがる、このクソガキがぁ!」
「あー、ええと」
僕に色々なことを教えてくれるはずだった家族は早いうちに死んだ。だからこういうときどうすればいいのかよくわからない。
記憶を引っ張り出そうとする。
そうだ、悪いことをすれば謝るんだったっけ?
「あー、すいません」
「舐めてんじゃねぇぞ!この貧乏者が!」
あれ、聞こえていないのか?
確かこうすればいいはずだから、聞こえてないので間違いないはずだ。
「ごーめーんーなーさーい!!」
今度は大きい声で言ってみた。これでどうだろう。
「ああ!?てめぇ!俺はなぁ!!俺は軍の炎魔法の使い手だぞ!!」
聞いたことがある。初対面の人には自己紹介というものをするらしい。
「あ、どうも。始めまして。僕はルードといいます」
「このガキぃ!!もう許さねぇ!その髪燃やしてやるよ!!」
そうして男は僕に魔法を使おうとする。
その騒動に気づき、周囲には人が集まってきた。
「オラ!喰らえ!!」
うーん、どうしようか。
相手は意思疎通ができないようだ。そしておそらく敵対している。
いや、これに似た状況を知ってる。確か、魔族と戦うときと同じだ。
そしてその対処法は、《《早急に駆除する》》。
「なにっ!??」
しかしどうすればいいかわからず手を翳《かざ》したら、突如手が光った。
そして光は男を数メートル吹っ飛ばした。
「何だ今のは!!??」
周囲にいた人々がざわめきだす。
あれ?もしかしてまずいことにな
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