第2部
エジンベア
美少女コンテスト予選・後編
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たんじゃなくて!? ねえ、聞いてますの!?」
ヘレン王女の訴えは、司会の一声と拍手にかき消された。
「では、今から最終審査の舞台を準備いたしますので、準備が出来るまで観客席の皆様しばしご休憩下さい! そのあと、指示がありましたら最終審査の会場へと移動してもらいます。他の出場者の皆様も、ありがとうございました!!」
パチパチ……と、ようやく拍手が鳴り止むと、ステージにいた出場者が一斉に舞台を降りる。
そんな中、私はまだ夢心地な気分だった。後ろではヘレン王女がなにやら司会の人に話しかけているようだが、今の私の耳には入らない。
本当に、私が最終審査に……!?
先ほどまで自信を失い落ち込んでいた筈なのに、今は嬉しくて小躍りしそうだ。自分はなんて単純なんだろう。
「ミオ!!」
久々に聞く声に顔を上げる間もなく、私は勢いよく抱きつかれ、たたらを踏む。
「ビビアン!!」
「ちゃんと客席で見てたわよ! 最終審査進出おめでとう!!」
「ちょっと、アタシもいるわよ? それに、優勝した訳じゃないでしょ? まだ通過点に過ぎないんだから、喜ぶのはまだ早いわよ」
「そうは言うけど、アルヴィスだってミオの番のとき、ヒヤヒヤしてたじゃない」
「そりゃあ、初っぱなから爆弾発言ぶち込んでんだもの。いきなり好きな食べ物を肉って……、肉……ふふっ、あはははは!!」
さっきの私の失言を思い出したのか、急に笑いだすアルヴィス。
「却って印象に残ったんじゃない? あと、司会がまさか格闘好きだなんて予想外だったわ」
「そうねえ……。そもそもその前の王女様があんな素敵なダンスを披露するんですもんね。変えて正解だったわよ」
「ごめんね、二人とも。せっかく教えてくれたのに……」
「いーのよ。それにもしあの時ダンスの方を選んでいたら、きっと予選に落ちてたかもしれないもの。女性らしさとか関係ないわ。私はミオの正拳突き、かっこよかったと思ったわ」
「そうね、しっかり基本が出来てる、理想の型だったわ。さすがユウリくんと一緒に戦ってるだけあるわネ」
「へへ、ありがとう。……そういえば、ユウリは?」
見回しても、ユウリの姿はどこにもない。
「あー、ちょっと客席の方で色々あってね……。予選通過の発表の前にヘレン王女がやってきて、そりゃあもう大変だったのよ。ここに来たらまたヘレン王女に会うかもしれないからって、客席で待ってるって言ってたわ」
「ああ、さっき王女様、ユウリのところに行くって言ってたからね」
それなら仕方ない。そう思いつつも、いざ会えないとわかるとなんだか寂しさを感じる。
「まだ準備に時間かかると思うから、会いたいのなら連れてくるけど?」
ビビアンが気を利かせて誘ってくれたが、私は首を横に振った。
「ううん、大丈夫。戻ったら、絶対優勝するか
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