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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(中編)
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を自称するだけのことはあるなとは思った。
「まな板!!」
キレそうになるもそんな場合ではないと踏みとどまる。
腹の立つあだ名でエリザベートはあたしを呼ぶと、叫んだ。
「事情は大体わかったわ!!ここはアタシ達に任せて、邪魔者をやっつけて来なさい!!」
「言われなくとも…そうするよ!」
ここは任せろ、そう言われあたしとソフィーは走る。
屍を操る者の場所なのだが、以前貰った通信式のイヤリングで香子がリアルタイムで場所を教えてくれる。
走ってる最中も時節彼女の咳き込む声が聞こえる。
あまり時間はない。急がないと。
「葵ちゃん!捕まって!」
「えっ、」
そうして走ると、ソフィーがあたしの手を掴む。
するとどうだろうか
「わっ、えっ!?」
駆けている足は地面を離れ、なんと宙を浮いた。
「これって…!?」
「今更だけど、ボクは空を飛べるんだ。今それを手を介してキミにも分け与えてる。だから落ちないよう絶対に離さないでね。」
「あ、ああ、うん。」
手をしっかりと握り返すと、ソフィーは一気に高度を上げた。
これなら、走るより断然速い。
いちいち屍を相手せず、このまま真っ直ぐ犯人の場所へ直行できる。
「紫式部!場所は!?」
『東の廃ビル…そこに、人の気配が…。』
「うん。ひしひしと感じるよ。おぞましい気配が。」
香子はここから東に少し離れた廃ビルに人の気配、すなわちこの生きた屍達の司令官がいるという。
その言葉にソフィーは頷いた。
どうやら間違いないみたいだ。
「それじゃあ飛ばすよ!!」
ソフィーもまたそいつの居場所が分かったらしい。
一気にスピードアップし、例の廃ビルへと急接近する。
すると、
「いた…!!」
いた。
いたのだが…
「何を…してるんだ?」
まだ距離は遠い、けど廃ビルに誰かがいて、何かをしてるのは分かった。
犯人らしき人は女性、スキップしたり、くるくると回っている。
要は、踊っているのだ。
そして驚くのはそれだけじゃない。
段々近くなるにつれ分かる、犯人の顔。
その顔はとても見覚えのあるものだった。
いや、そう簡単に忘れられない印象を残していったんだ、
記憶にずっと残っている。
あの時、森川真誉と名乗った少女がそこにいた。
「…あの子!?」
「知ってるの?」
さらにソフィーもどうやら知っている様子。
どうして知ってるのか話は聞きたいがそんなの後だ。
彼女が犯人だとは信じ難いが、それは本人に直接聞いてみれば分かること。
そうしてあたし達は、彼女の踊る屋上という名のダンスホールへと着地した。
?
おぞましいものを感じた。
邪気とか、憎悪とか、悲しみとか。
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