狂いだした世界に答えは無く。
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時間は戻る。
闘技場で2人が闘い始めた頃、切嗣は一人校舎の屋上にいた。
「……何者だ?ここには学園関係者以外入れない筈だ」
いや、もう一人いた。それは、まだ顔にあどけなさを残した少女だった。
一見すれば危険人物には見えないが、行動が不自然に過ぎので切嗣はその少女を尾行した。
結果、本校の屋上に二人は立っていた。
「えっ、わ、私はこの学園に新しく生徒となる……」
その女性は、突然の事態に驚いていると言った様子だったが、
「御託はいい。僕はこの学園の教師、生徒の情報は総て網羅している。現在、この学園の生徒にお前の顔は無かったし、新しく生徒が来るという情報も無い」
「……未だ、未発表事項なので」
「ならば織斑先生を呼ぶ。そこを動くな」
尚も言い繕うとする相手を切嗣は黙らせる。
「……厄介なやつが居たわね」
突如、口調が変化する女。
それに対し、銃を向ける切嗣。
「妙な動きをしたら撃つ」
一旦敵と見なした相手に容赦無く、実弾入りの銃を向けるが
「好きにしたら」
彼女は警告を無視し、ISを展開する。
「私、強いから」
現れるは、サイレント・ゼフィルス。ブルー・ティアーズの事実上の上位互換機。その機体性能と本人の能力を合わせれば、恐らく彼女に勝てるものはこの学園にはいないだろう。
「ついでだし、貴方も殺してそのISも回収するから。2人目の男がもつIS、興味はあるし」
彼女の目は切嗣の左腕に向く。そこには、銀細工のアクセサリーがあった。二羽の鳥を型どった素朴だが、美しい飾り。これが彼のISなのだろう。
「で、私動いたけど、どうするつもり?さっさとISを起動させれば?」
状況は変わらないけど、とつけ加える。それに対し切嗣は何も答えずに、撃った。
「そんな玩具でどうにかなるとっ!?」
―瞬間、不可解なことが起きた。本来、人が携行できる程度の武器であれば絶対的装甲を誇るISが、切嗣の放った弾丸をその身で防いだとき、
自身の身を崩壊させた。
……恐らく、ISによる戦闘を行えば彼女は何の問題も無く、切嗣を倒せていただろう。だが一つ、彼女は重大なミスを犯した。嘗ては「魔術師殺し」とまで呼ばれた男に、初撃を許すというミスを。
「な、何で」
切嗣が放ったのは起源弾。その身の骨を削り出し、弾となした切嗣の切札。自身の起源を最大限活用した「切断」と「結合」の魔弾。
今回、それが切って、嗣いだのはISのコアに刻まれた情報。機体を構成する情報を切り、適当に繋ぎ合わせられた場合、物理的には無類の強さをもつISも崩壊するしかない。結果、
「あ、ああ……」
サイレント・ゼフィルスはそのコアを残し、腐敗するように崩壊した。
「言ったな。妙な動きをしたら撃つと」
気付けば、もう2、3歩のところまで衛宮切嗣は迫っていた。その手
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