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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
進化と停滞
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られてしまえば、この先の戦いはないものと考えていい。

「門番も見張りもいないです!!」
「了解!!」
「正面から行くぞ」

見張りが出払っているのか誰もいないことを利用して正面から城の中へと入っていく。周囲に警戒しながら先を急ぐが、全く人の気配がしない。

「この匂い・・・」
「二人はこの先にいる!!」

先を走るローグさんは周囲の警戒をすることなく二人の元へと一心不乱に駆けている。そうなるともし万が一の時は俺が率先して動かないと、と思っていたが、それは杞憂に終わった。

「グラ・・・」

見知った後ろ姿をこの視界に捉えた。それに安堵しつつも俺たちはすぐに臨戦態勢に入った。理由は簡単、グラシアンさんの前に白い翼を広げた男がいるからだ。

「え?」
「ウソ・・・」

だが、彼らの臨戦態勢はすぐに解かれた。睨み合っている二人は揃ってボロボロ。しかしそれでも確実にわかる事象があった。

「そんな・・・バカな・・・」

男の白い翼がみるみる崩れ空気に同化していく。彼は自身の手に目を向けると、そこも次第に崩れていくのがこちらからでもわかる。

「私が・・・ただの作られた住民に負けるなど・・・」

諦めきれない気持ち。しかしそれを打ち消してしまうほどのダメージを負ったのであろう彼はその場に倒れ込むと、一部の肉体も残すことなく消失してしまった。

「く・・・くく・・・」

そしてその様子を一番間近で見ていた青年は笑みを浮かべると、その場に膝をつき崩れ落ちそうになる。それを真っ先にローグさんが受け止め顔を覗き込むが、その瞬間に俺たちは目を見開いた。

「やっぱり思った通りだった・・・そして俺は成った・・・」

目の焦点が合わないグラシアンさん。その目は白と黒が反転しており、紫色の髪も一部が白く変色している。

「これで俺は・・・もっと・・・」

結局ローグさんの顔に視線が合うことなく力尽きてしまうグラシアンさん。息はしていることから命は問題ないとは思うけど、その傷は明らかに深い。

「グラシアン!!おい!!グラシアン!!」
「私が治療します!!」
「すまない、頼む」

ローグさんに抱き抱えられているグラシアンさんに治癒の魔法をかけるウェンディ。俺もそれに続こうとしたが、さらに奥の方から大きな震動が来るのを感じ、そちらへ視線を向ける。

「シリル、シェリア、二人は先に行っててくれ」
「え?でも・・・」
「お嬢が来たら俺も向かう。お前たちは先に行ってレオンを連れ戻して・・・いや、違うな」

奥歯を強く噛み鋭い視線を音がする方へと向ける。それから彼はこちらに視線を向けると、真剣な表情で口を開く。

「レオンに協力して奴を倒してくれ。もうここまで来たら、その方がいいだろう」
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