進化と停滞
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の敵襲に備えていたため、相手が知りようもない隠し通路などには意識を向けていなかった。二人はそれを使って外に出たのかもしれない。
「まさかとは思うが・・・」
「二人で城に乗り込んだんだと思う」
彼らの予想は間違いないと俺たちも頷く。グラシアンさんはともかく、今のレオンは何かがおかしかった。そんな彼なら自身の力を使って解決に出ようとしかねない。例えそれが一人になってしまっても。
「まずは城に向かってみるか」
「そうだな」
「もしかしたら思い過ごしの可能性もある。確認だけはしに行った方がいいかもしれない」
もし二人が乗り込んでいれば城の外は大騒ぎになっているはず。ただ、ほとんどないとは思うけど二人が夜風に当たりにいっているだけの可能性もあるためまずは様子見が最優先。
「ウェンディとシェリアはユウキさんたちに伝えてきて!!俺たちは先にーーー」
「待って!!」
すぐにでも動き出そうとした俺たちを制止するのは天空の神。彼女のその目は弱気な者のそれに見えた。
「あたしもすぐに行きたい。だから・・・」
「わかった。妾が他のものたちに伝えていく。シェリアもウェンディも先に行け」
シェリアはレオンが心配なのと同時に、もしかしたら責任のようなものを感じているのかもしれない。その理由が何なのかは、俺たちにはわからないが。
「よし!!すぐに行くぞ」
「シャルルたちは?」
「そっちもお嬢に任せよう。今は時間が惜しい」
如何なる状況になっていようともまずはすぐにでも動き出したい。それがわかっているため二人は今起きているメンバーだけでもと先を急ぎ、俺たちもそれに従う。そして昼間に使った通路を使うが、二人の匂いは感じない。
「もしかして本当に思い過ごし?」
「だといいけどね」
先頭をローグさんが走り、続いて俺とウェンディ。最後に殿をシェリアが務める並びになるが、後ろの少女はどこか元気がない。
「何やってるんだろう、あたし」
俺たちでなければ聞こえないほどの小さな声で後悔の念を呟き続けるシェリア。それに俺たちは気付かないフリをしつつ、城に一番近い穴から顔を出すと、苦虫を噛み潰したような顔になる。
「この感じ・・・完全にやってますよ」
「しかもこの通路を使ってないってことは・・・」
「俺の完全な見逃しだ」
彼のせいではないのに責任感が強いからか歯軋りをさせているローグさん。でも、今はそれどころじゃない。
「そんなこと言ってる場合じゃないです」
「あの天使は今まで戦ってきたどの相手よりも強い。しかも・・・」
「グラシアンの攻撃は効かないんだろ?だったら俺たちも行くしかない」
予定とは大幅にプランが変わってしまったが、もう俺たちは引くことはできない。もしここでレオンがや
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