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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
進化と停滞
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んでいく。しかしどれだけ進もうとも敵に一切遭遇しないことに彼らは不信感を持っていた。

「中にも誰もいないじゃん。どうなってるんだ?」

城内にも見張りも護衛の姿もない。いくら人手が足りないとしても、ここまで人気がないのは違和感がある。通路にある複数の部屋からの奇襲も警戒しているものの、どこからも人の気配がしないことがより違和感を強くさせる。

「昼間来た時も人いなかったくない?」
「俺らこの道通ってないし」

レオンたちは城内を通って王の間へと向かっていたため違和感を感じていなかったが、グラシアンたちはミネルバの魔法を使ってワープしていたためそのことを知らなかった。しかし、それを差し引いてもこれはおかしい。

「誘い込まれているのか、はたまたあいつが人間を信用していないか」
「どっちもありそうだけど、どうやら前者っぽいな」
「あん?」

なおも辺りを見回していたグラシアンだったが、レオンの言葉で前を向くとそこにはこちらを待ち構えているように仁王立ちしている七三分けをしたメガネの男がいる。

「お待ちしてました、この世界の住民よ」
「待っていた・・・ていうことは・・・」
「こいつが噂の天使か」

明らかに普通の人間とは違う雰囲気を持つ男。そんな彼を二人は鋭い眼光で睨み付ける。

「まずはこいつからぶっ飛ばすか」
「待ってくれ、レオン」
「ん?」

早速臨戦態勢に入ったレオンだったが、グラシアンがそれを制止し前に出る。

「言っただろ?試したいことがあるって。こいつは俺がやるからお前は先に行け」

自信満々な様子のグラシアン。彼は目の前に立ちはだかる男の前に立つが、その表情は自信に満ちている。しかし、レオンはあることが気になっていた。

「グラシアンさん、さっきの話忘れたの?」

一時撤退した時の作戦会議で天使には普通の魔法は効かないということは話したはず。つまりグラシアンの魔法は効かないことはわかっているはずなのに、一対一の対戦を申し出るのは自殺行為に他ならない。しかし、彼の自信満々な表情は崩れない。

「覚えてるよ、それも踏まえて試したいんだよ」
「・・・」

先ほどの作戦会議でも彼は何かに気付いているようだった。恐らくそれが正解かどうかを試したいのだろうが、果たしてそれを信じていいものか、彼は判断しかねていた。

「早く行け、大丈夫、自信あるからよ」

しかし彼のその表情は、レオンを信じさせるに値するものだった。

「わかった。俺の背中は任せるよ」
「あぁ、挟まれたら呪い殺してくれ」
「いや、それを俺死んでるし」

苦笑いに近い笑いを浮かべながら走り出すレオン。しかし、当然それを黙って相手も見過ごすわけがない。

「残念ですが、久々の戦闘で胸高鳴ってい
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