進化と停滞
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人。彼らを見送った後、ウィバリーは再び外に視線を戻す。
「よほど力に自信があるんだろうな。まぁ、あいつの性格なら仕方ないか」
その頃、城にバレないようにと隠れながら進んでいた二人は周囲を警戒しながら、物陰に隠れながら話をしている。
「この時間帯だと人が少ないな」
「加えてこの暗闇だ。復興がまだだからか、灯りが少なすぎる」
自分たちの姿も見えてはいないだろうが、相手の姿も確認することができない状況。こちらが頼りになるのはわずかに輝いている城の光のみ。
「門番いる?」
「いないっぽいけどな、外から見る分には」
城へと続く門は閉まっているがその前に番をする人物はいない。ただ、中の様子まではわからないため、グラシアンは首をかしげてみせることしかできない。
「シリルに化けてるなら透視能力も身に付けてよ」
「あいつは魔水晶持ちだからなぁ、目の力もそれに依存してるんだから文句言うんじゃねぇよ」
滅竜魔導士として視力には定評のあるグラシアン。そんな彼でもシリルの目の力には及ばないことはよくわかっていた。
「まぁ、俺たちなら中に監視がいようが蹴散らせるだろ?あいつがいない限りは」
「あいつがいても蹴散らしてやるよ、一人でな」
「ホント・・・ずいぶんと自信家になったようで・・・」
彼の変貌ぶりには感心するものの、同時に呆れてもしまう。それが原因で先ほどの戦いは優位に進められなかったことを彼はわかっているはずなのに、改めようとしないのだ。
(まぁ、いっか。俺の試したいことも自己満足なところがあるし)
グラシアン自身の気付き・・・それは正解なら大きな収穫だがもし間違っていれば取り返しがつかない事態になりかねない。それをわかっているからこそ、相方の自分勝手さに突っ込みを入れる資格はないと踏み込めずにいた。
「門から行くか?」
「いや、門だと開いた瞬間にバレる可能性がある。壁を登って侵入しよう」
城の中は昼間の潜入でおおよそわかっている。それならば表から行くよりもバレないことを優先した方がいいのは当然。二人は協力して塀を上ると、顔を少しだけ覗かせ辺りを確認し、人がいないことがわかってから敷地内へと侵入する。
「昼間も思ったけど、ここの警備薄すぎないか?」
「シリルが爆弾魔水晶でぶっ飛ばしたらしいからな、人手が足りないんじゃないの?」
質問しておいて興味無さそうな返事をするグラシアン。それに気付いているのかいないのか、レオンは城内へと駆けていく。
「あいつ・・・マジぶっ飛ばしてやろうかな」
自身の反応は棚にあげて先を行くレオンを追いかける。並んで城内を進
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