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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
美少女コンテスト予選・前編
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で、自己紹介をするマギー。その落ち着いていながらも堂々とした様子に、私は再び自信を失いそうになる。
 その間、次々とマギーに質問が繰り出され、その度にマギーは優しく微笑みながらしっかりと回答していた。
「ありがとうございます。では最後に、何か得意なことなどがありましたらこの場で披露していただきます!」
 司会の声に、小さく頷くマギー。そしておもむろに、一冊の本を取り出した。
 あの本は、まさかーー。
「私の特技は、『勇者物語』を一言一句間違えずにそらで言えることです」
 マギーの思いがけない一言に、観客席が一斉にざわついた。いや、彼女が勇者物語を好きなのは知っていたが、まさかここでそんな特技を披露するとは思わなかった。
「そ、そうですか。では、披露していただいてもよろしいですか?」
「はい!! では、序章から……。はるか昔、平和な世界に突如魔王と名乗る存在が現れて……」
 いきなり始まった勇者物語に、会場がざわついた。
 それからマギーは第二章に入る寸前まで語り始めた。第二章に入らなかったのは、途中で司会の人が止めたためだ。もっと話したかったのだろう、マギーは少し不満げな表情ながらも、司会に促されるまま自分の番を終えてステージを降りた。
「次、ミオ・ファブエルさん!!」
「あ、はい!!」
 唐突に名前を呼ばれ、私は慌てて返事をする。急いでステージに向かおうと足を出そうとした、その時だった。
「もう、どうしてなかなかわたくしの名前が呼ばれませんの!?」
 横から、強引に私の視界を遮ったのは、ついさっきまで別の場所にいたヘレン王女だ。彼女は私の前に割り込むと、
「次、わたくしの番に変更しなさい!! 待ちくたびれて足がとっても痛いの!!」
「で、ですがあらかじめ順番は決まっておりまして……」
「わたくしは王女なんですのよ!! エジンベアの上に立つ人間を平民と同じ扱いにするなんて、神聖なる王族に対して失礼ですわ!!」
「も、申し訳ありません」
 ヘレン王女の無茶な物言いにうろたえつつも、司会の人はひたすら謝っている。いやいや、王女だろうと平民だろうと、順番は守んなきゃ。皆が言わないならと、私はヘレン王女の前まで近づいた。
「ヘレン王女。足が痛くてお辛いのはわかりますが、順番は守って頂かないと」
「まあ!! 平民のくせにわたくしに指図する気なんですの!?」
こちらを振り向くなり、ぎろりと睨み付けるヘレン王女。ユウリがいたときとは随分態度が様変わりしている。
「それでなくてもあなたみたいな凡人がユウリ様のお側にいるだけでも不愉快ですのに、そのふてぶてしい態度!! ひょっとしてあなた、田舎者なのではなくて!?」
「っ!?」
 他の出場者たちの視線が、一斉に私の方へ向けられた気がした。
「この国では田舎者と呼ばれる人間な
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