第2部
エジンベア
美少女コンテスト予選・前編
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ごいアイテムなのかもしれない。
「でもマギー、この前は自分の容姿より本の方が好きって言ってた気がするけど、何か心境の変化でもあったの?」
私が尋ねると、マギーは少し顔を赤らめて言った。
「……実はこの前、いつも私のことを『変わってる』って言ってた人から、告白されたんです」
「えっ!? ホントに!?」
「はい、ミオさんがいない間色々ありまして、結局付き合うことになったんです」
「すごいね、おめでとう!!」
思わぬ嬉しい知らせに私は興奮気味に祝福するが、なぜかマギーの顔色が曇る。
「……でも、こんな自分を本当に好きでいてくれるのか、彼と会うたびにだんだん不安になってしまいまして……。自分に自信が持てないと家族に話したら、コンテストに出てみないかと言われたんです」
どうやらマギーの家族も、彼女に彼氏が出来たことを喜んではいたようだが、マギーが自分の外見にあまり自信が持てないことを気にしていたらしい。そんなとき、ちょうどお城で開催される美少女コンテストがあることに気づき、マギーに勧めたんだそうだ。彼女の家族もマギーの容姿なら優勝できるかもしれないと思っているらしく、それが次第にマギーの自信の向上に繋がったという。
「そっか。いいご家族だね。と言うことは、これでやっと私の言葉を信じてもらえたってことだね」
「ふふ、そうですね。ミオさんの言うとおりでした」
そう言って、私はいたずらっぽい笑みを浮かべると、マギーは苦笑した。
「でも、いざコンテストに参加したら、皆さん美しい方ばかりで、私、とても肩身が狭くって……」
「わかるよ、私も今マギーと同じ気持ちだもの!本当はこんなところにいるべきじゃないのに、どうしても優勝しなきゃいけなくて……」
すると、急にマギーの表情がこわばったではないか。ある一点を見つめているので私がその方向へ顔を向けると、
「あら? そう思ってらっしゃるのなら、わざわざ出場しなければ良いではありませんこと?」
受付で会ったときよりもさらにきらびやかなアクセサリーを身に着けた、ヘレン王女がこちらにやってきた。どうやら今しがたこの会場に来たようだ。
「へっ、ヘレン様!? どうして!?」
マギーの反応に、周囲の参加者も一斉に王女の方を向きざわめいた。やはり他の参加者の間でも、王女の参加は想定外らしい。
「別に王女が出場してはいけないなんて決まりはないですわよ? それとも、そんなにわたくしに出場してほしくないのかしら?」
「い、いえそのようなことは……」
ヘレン王女の高圧的な態度に、すっかり恐縮してしまっているマギー。周りの参加者も、下手なことを言えば王女の不興を買うことを恐れて、皆黙っていた。
そんな張り詰めた雰囲気の中、ヘレン王女は私に目を留めると、見下すような視線を送った。
「せいぜい平民は
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