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レーヴァティン
第二百四十話 運河の街でその一

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                第二百四十話  運河の街で
 久志はペテルブルグを拠点としてカレリアへの工作を進めていっていた、彼等は橇を使ってカレリア各地の村々に向かった。
 その彼等を見送ってからだった。
 久志は街の宮殿で皇帝の執務や采配に入った、だが。
「これで暖炉に火を入れてるんだよな」
「左様です」
「ご覧の通りです」
「そうしています」
「それでま冬でないのにな」
 それでもというのだ。
「寒いな」
「それがこの街です」
「ペテルブルグです」
「カレリアも寒いですが」
「この街もです」
「そうなんだな、モスクワよりもな」 
 この街よりもというのだ。
「寒いな」
「はい、残念ですが」
「バルト湖沿岸部でも北の方にあってです」
「この通りの寒さです」
「ですから陛下もです」
「ああ、もう一枚な」
 こう周りに話した。
「服を着るな」
「そうされて下さい」
「無理をされてはなりません」
「それがこの地なのですから」
「寒いので」
「そうするな、これだとな」
 冬でなくともこの寒さならというのだ。
「それならな」
「もう一枚ですね」
「着られますね」
「そうされますね」
「ああ」
 こう答えてだった。
 持って来られたコートを羽織った、そうして熱い紅茶を飲みつつ話した。
「兵達にもな」
「寒さを凌ぐ様にですね」
「厚着をしておくことですね」
「そう伝えましたね」
「そう命じて正解だったな」
 久志は心から思って言った。
「本当にな」
「この寒さですから」
「冬でなくともです」
「用心に越したことはないですね」
「まことに」
「風邪って言ってもな」
 軽く言われる病気でもというのだ。
「侮れないだろ」
「風邪は万病の源です」
「そう言われます」
「そこから体力を落としあらゆる病気にもなります」
「だからですね」
「それが悪化してインフルエンザになってな」
 久志はこの場合のことも話した。
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