フェアリー・ダンス編
新世界編
新たな始まり
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今日、彼女は日直で当番の仕事をしていた。群がってる男共は……まあ、だらだらしてただけだろう。私は寝てた。昨日の演習がキツかったのだ。
私は存在感が無い割には席は真ん中だ。存在感が無いことは気にしてない。むしろ、眼鏡(伊達)をして、髪も面白げの無いポニーテールにしてそれをブーストしている。
目の色も変えるために、黒のカラーコンタクトをしている。さらに前髪を垂らし、陰気キャラを作っている。
ともかく、桐ヶ谷さんには悪いが、私は関係ないので帰らせて貰う。
そう思って立ち上がった私に桐ヶ谷さんがドンと、ぶつかる。仕方ない、あの野獣から逃れるために後退していたのだから。
私は衝撃で落ちた眼鏡を拾うと、再び歩き出そうとして、自分の良心に負けた。
「桐ヶ谷さん、嫌がってるんだからその辺にしたら?」
恐らく、中3の2学期になって彼らは始めて授業以外で私の声を聞いたに違いない。
私は眼鏡を一旦、自分の机に置くと、彼らを殺気を込めて睨みつけた。
……素人にはただ睨まれた位にしか感じないだろうが(それに彼らに目は見えていない)。
「あぁ?何だ水城。おめえに用はねぇんだよ。引っ込んでろブス」
……イラッ
ツカツカと歩み寄って胸部に一発入れる。
ドカァッとすごい音をたてながら教室の後ろ(約4m)まで吹っ飛ぶ。まあ、空手部だから死にはしないだろう。
ポカーンとする一堂。吹っ飛ばされた男子はまだ現実に帰ってこれて無いようだ。
私は髪を掻き分け、素顔をさらしながら言う。
「……別に、自分の面に愛着は無いけど、女にそれを言うやつは最低だから」
開けていた窓から風が入り、さらにハッキリと私の顔を彼らに見せた。
――その左目は緋色(ぶつかった時に取れた)。
その眼光が彼らを絶対零度の温度で包む。
数秒後、彼らは化け物を見たような叫び声をあげて去っていった。それから、何となく下駄箱まで無言で2人で歩いていった。
「あの……」
「何か」
「えっと、さっきはありがと。助けてくれて」
「女子剣道部のエースには余計な横槍だったかな、とは思ったけど……竹刀無かったしね」
「あっ、そっか。今度から持って置くよ」
さらっと物騒なことを言う彼女に向かってクスッと吹いてしまう。それを見た桐ヶ谷さんは心底驚いた顔をする。……失礼な。
「水城さん、前髪あげたら可愛いじゃん。何で隠すの?」
「…………」
存在感無くすためとか言ったらどうなるだろうか。とりま、真実の一部を話す。
「これ」
カラコンが外れたままの左目を見せて、右目も外す。
「わぁ……!」
「な……何で、そんな詰め寄っ
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