暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
フェアリー・ダンス編
新世界編
新たな始まり
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0人のSAOプレイヤーが未帰還である」


「なっ!?……どういう――」


「聴け。原因は不明。茅場晶彦は死亡が確認されている。故に彼の陰謀でない。どう考える?」


「現在はどこがサーバーを管理している?」


「『レクト・プログレス』のフルダイブ技術研究部門。代表は須郷信之」


「そいつクロ。捕まえて拷問して吐かせろ」


「……確かに怪しくはあるが、証拠がない以上、立ち入りもできん」


「で、俺に裏を取ってこいと?」


そう言うと、総帥は長方形のパッケージを放ってきた。

オンラインゲームのパッケージだ。タイトルは『アルヴヘイム・オンライン』。


「これは?」


「そこが発売しているフルダイブ型MMORPGだ。魔法あり、完全スキル制。そこで、とある写真が撮られた」


総帥が懐から出した写真は荒かったが、俺に衝撃を与えるのには十分だった。


「……アスナ!?」


間違いない。見間違うはずがない。憂いを含んだ表情からは悲壮感が漂ってくる。


「彼女もまた、未帰還者の1人。ちなみに、レクトのCEOの娘だ」


マジですか……っていうか彰三さんの娘かよ。


「場所は世界樹という場所だ。行くか?」


「……相変わらず回りくどいことをするやつだな。どこで俺の交友関係を洗ったか知らんが、行くに決まってる」


「そう言うと思ったよ。1つ、良いことを教えてやる。ALOはSAOのコピーサーバーで動いている。この意味をしっかり考えろよ」


聞きたいことはもうない。総帥から写真とそのデータの入ったメモリー、それとゲームパッケージを奪うと(つまり了解を得ないで持ち去った)その場を後にした。


帰りの車で沙良がおずおずと話掛けてくる。


「あの……お兄様」


「どうした?」


「実は私……そのゲームのユーザーなのです」


「……マジでか。こいつの噂は?」


俺が写真を見せながら尋ねると頷きながら答えた。


「人影があったというだけの話ですが……GMという説が優勢ですね」


「ふむ……」


沙良がユーザー、これは中々計算外だったが、熟練者がいるのはなかなか……いや、待てよ?


「沙良、リアルにこれをやってる知り合いは?」


「友人1人と一緒に始めました。その子も兄がSAO被害者のようです」


……その瞬間、俺はその人物の苗字をほぼ確信した。これまでの経験で世間が意外と狭いことを知っている。

同時に、今回の件を解決するシナリオを高速で組み立てながら、菊岡に電話を掛ける。


『どうしたん―――』


「プレイヤーネーム『キリト』
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