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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
脱・田舎者作戦
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たのよ」
「え、何?」
 そう言うとビビアンは、持っていた袋に手を突っ込んだ。そういえば彼女が今朝ここに来たときに、大きな袋を持っていた。服は私が持ってるし、メイク道具はアルヴィスの店のものを使うから、持ってくるものはあまりないはずなので疑問に思ってはいたのだが。
「あら、綺麗ねえ!!」
 ビビアンが袋から出したのは、アルヴィスの言うとおり、美しいデザインが施された色んな種類のアクセサリーだった。指輪やイヤリング、ネックレスに髪飾りなど、身に付けきれないほどの数ではあったが、どれも目移りしてしまいそうなほど目を引くデザインだった。
 そういえば、ユウリとアクセサリーを見に行ったときも、こういうデザインのお店に入ったっけ。
「すごい可愛い!! どうしたの、これ?」
 私が尋ねると、ビビアンは私の方を見てニヤニヤしながら、
「それね、ミオの弟のルカくんから借りてきたのよ」
「ルカが!? どうして私がいること知ってるの!?」
 私の弟のルカは商人の修行のため、この町にある父の知り合いのお店、ドリスさんのところに居候させてもらっている。一時私たちと一緒に行動を共にしたこともあったが、今はまたドリスさんのところに戻って修行を続けているはずだ。
 けれどなぜ私がビビアンたちと共にいることを知っているのだろう。この一週間ほとんど二人といたため、ルカには一度も会ってないはずだ。なので当然ルカは私がここにいることは知らないはずなんだけど……。
「昨日二人と別れた後に、ルカ君の方から声をかけられたの。きっと私たちが買い物してるときに見かけたんじゃない? 私がミオの今の状況について話したら、コンテストの時に使ってくださいって言って、貸してくれたのよ」
「ルカ……」
 そう言うことだったのか。それはそうと、あのやんちゃだったルカが私のためにアクセサリーを選んでくれるなんて思いもしなかった。嬉しさのあまり私は胸がいっぱいになる。
「随分お姉ちゃん思いなのね、ルカ君って。将来が楽しみだワ★」
「そ、そうだね」
 アルヴィスもうっとりとした目でルカを褒める。他人に身内のことを褒められて悪い気はしないはずなのだが、どういうわけか冷汗が止まらない。
「とりあえず今日着る衣装にあったアクセサリーを選びましょう。見立ては私がやるわ」
 ビビアンが率先してルカが持ってきたアクセサリーを手に取り、私とそれを交互に見比べる。その横ではアルヴィスがメイクやヘアセットの準備を始めた。その間私はというと、ただされるがままぼーっと座っているだけだった。
 それから約二時間後。私の姿は二人によって激変していった。
 ビビアン御用達の仕立て屋さんで購入した特注のドレスは、実はビビアンに会ったその日に一度寄っており、採寸後注文していた。それから六日後の昨日、予定通りに仕上げ
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