二十話
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よ、私はスクナが倒されるまで耐えればいい。今の私では君に勝つことは難しいが、それぐらいならば可能だ」
「………………」
フェイトは答えない。ネギの言っている事は事実。確かに、今のネギではフェイトを倒し事はかなり難しいと言っていいだろう。だが、時間稼ぎなら充分。それだけの実力なら、ネギは持ち合わせている。
最早勝敗は決している。ならば速やかにこの場から去るだけだと頭の中で逃亡のプランを立て始めるフェイト。だが、ふと目の前にいるネギの顔が目に入った。その顔は、間違いないく……
「逃げる算段を立てるのは構わんが……そうやすやすと出来ると思うなよ」
笑っていた。
「ククク……」
エヴァンジェリンは高揚していた。久しぶりに全力で力を振うことのできる戦闘にだ。ここ十数年、魔力を封じられた彼女はストレスが溜まりにたまっていた。ネギが来てからは魔法球で模擬戦を行うことである程度発散していたが、模擬は模擬であるし、別荘内部の被害を考えれば規模を抑えたものにせざるを得ないのだ。純魔法使いタイプ。いわゆる大火力の固定砲大である彼女には、些かそれが不満だったのだ。
だが、今はどうだ。目の前には巨大にして強大な敵。そして、エヴァンジェリンにとってはどうでもいい被害を気にしなくて済む土地。憂さ晴らしにドデカい魔法をぶっ放すにはもってこいのシチュエーションだ。
「茶々丸、結界弾を」
「Yes,マスター」
憂さ晴らしに邪魔が入っては意味がない。結界弾如きでスクナを抑えられはしないが、それでも十数秒、エヴァンジェリンが詠唱するには充分な時間は得られるはずだ。
「リク・ラク ラ・ラック ライラック!」
久しく感じることのなかった膨大な量の魔力が一度に体から失われていく感覚。本来なら虚脱感を覚える筈のそれすら、今の彼女には快感だ。
「契約に従い我に従え氷の女王!」
スクナを中心に冷気が発生し始める。この魔法こそ、氷系最大の広範囲殲滅呪文。
「来れ! とこしえのやみ! えいえんのひょうが!」
例えスクナであろうと防げないほぼ絶対零度の魔法の冷気。それはスクナの巨体を瞬く間に氷漬けにしていく。
かのリョウメンスクナノカミを凍結。普通ならこれで充分満足していいだろう。だが、この魔法の操り手は最強無敵の悪の魔法使い、エヴァンジェリンだ。これで終わる筈がない。そもそも、この魔法はまだ未完成だ。
「全ての命ある者に等しき死を! 其は安らぎ也!」
ついに完成する大呪文。彼女が座する、最強と呼ばれる者達が振うにふさわしき力。
「”おわるせかい”」
エヴァンジェリンが指を鳴らすとそれに連動するようにして、リョウメンスクナノカミはその身体を粉々に砕かれた。正
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