暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO26-Yui Suzuna
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
部屋に籠ることなんてはないはずなんだけど……。
 誰もが人が少ないことに疑問を持つ中、ドウセツはいつもの口調で話し始めた。

「外にいないなら、中にいるんじゃないの?」
「中って……家の中?」
「そうでしょうね。普通に考えて『はじまりの街』が普通じゃないのは見渡してみて、考えればわかることじゃない」
「まぁ……外にいなければ中にいるんだろうとは思うけど……みんながみんな部屋に引き籠っているわけじゃないでしょ」
「なら部屋に籠る理由があるってことになるでしょ」

 となると、異常と思われる『はじまりの街』に必ず原因があることになる。二千弱のプレイヤーがいるのにも関わらず、ほとんどのプレイヤーが家の中にいる。

「基本的に『はじまりの街』の住人は、モンスターと戦うことを恐れた人達が多い。傷つくのが怖いから街に引き籠るとすれば、今はこの街を恐れて家の中に引き籠っている」
「要するにこの『はじまりの街』支配するような人達がいるってことだろ」

 兄の言う通り、その答えにたどり着くだろう。

「そんな人達がいるとしたら……」

 アスナがぽつりと言いながら、頭の中では思い当たる人達を想像していた。ドウセツの言葉が正しいなら、今は『はじまりの街』はモンスターのような恐怖があるから一番安全な家の中で身を守っている。そして兄の言葉が正しいのなら、街を支配するような力を持っている人が、異常とも思われる原因の元凶。

「普通に考えて『軍』だよね」
「だな」
「そうね」
「あら、バカのくせによくわかったわね」
「バカにするな。これくらいわかるわ!」
 
『軍』は現実世界でいう警察の位置に近い、その立場として利用すれば一歩もフィールドの外に出たくないプレイヤーを支配することも出来るだろう。
 でも、『軍』全員がそんなことするのかな……。

「とりあえず、詳しいことは誰かに聞き込みでもしようぜ」

 兄の発言で私達は同意し、私達はとりあえず広場から大通り入った。そして中央に立つ大きな木の下に座り込むおじさんを見つけたので、訊ねて情報を貰うことにした。
 情報としては、東七区にある教会には子供プレイヤーが集まっているそうなので、もしかしたらスズナもユイちゃんもそこに行けばなんとかなるらしい。
 他の情報としては、人が少ない理由の一つがドウセツの推測通り、宿屋で籠っていることだった。その理由が徴税と言うカツアゲを逃れるためだとか、相手はチンピラとかそう言うものではなくて、逆らい難い『軍』が取っていることだった。
『軍』がプレイヤーに対しての徴税という名のカツアゲには気になるが、今はとりあえず、おじさんの情報をもとに東七区の教会に行って、スズナとユイちゃんについて訊ねてみることにした。
その道中、ユイちゃんとスズナは眠り
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ