SAO編−白百合の刃−
SAO26-Yui Suzuna
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かもしない。
でも、スズナとユイちゃんが無関係ではないってことにはなる……かな。流石に、子供で、記憶を失っていて、ウインドウがおかしい共通点が単なる偶然で一緒になるとは思えない。確証はないが……無関係ではないことは確かになってきた。
「…………これ以上考えても答えは出ないようね」
みんなが悩んでいて、沈黙を作る。
何分経たないうちにドウセツが口にすることで沈黙を破った。そしてアスナは肩をすくめて、ユイちゃんに新しい服装に着替えさせた。
●
「ユイちゃん、見覚えのある建物とかある?」
「うー……わかんない」
アスナは兄に抱かれるユイの顔を覗き込みながら訊ねてみる。ユイちゃんは石造り建物を見渡すも。難しい顔で眺めるも首を振って答えた。
「スズナちゃんは?」
「わかんない」
次にアスナはスズナにも訊くも、首を左右に振って知らなかった。
第一層『はじまりの街』
名の通り、全プレイヤー達がソードアート・オンラインのゲームを始まる場所であり、旅立つ場所でもある。そして、茅場晶彦によってデスゲーム宣言をした場所でもある。
今や『軍』のテリトリーになってしまったものの、この街はアインクラッド最大の都市であり、一言で言うと、とにかく広い。物価は安く、宿屋の類も大量に存在し、冒険に必要な機能は充実している。 もちろん、生活するだけでも十分に暮らしていけるくらいの充実さもある。
充実している……はずなのだが……。
「ねぇ、人少なくない?」
「キリカちゃんもそう思った?」
「そりゃ……ねぇ……・」
私達が来ていた場所は、デスゲーム宣言したゲート広場。そこは全プレイヤー一万人を収容した場所であり、とてつもなく広い。上層にある大規模な街では、ゲート広場は無数のプレイヤーが世間話やら、パーティーを募集している人も入れば、今日のような青空日和は外に出て過ごす人もいるはずだ。しかし見渡してみれば、ゲートか広場の出口へと移動する者しか印象はなく、やたらと元気に呼び込みをするのはNPCぐらいしかいなかった。
「兄、『はじまりの街』に住んでいる人って、どれくらいかわかる?」
「そうだな……生き残っているプレイヤーが約六千、『軍』を含めると三割くらいがはじまりの街に残っているらしいから、二千弱ってことになるな」
「二千弱ねぇ……とてもそうは見えないけど」
「そうだな」
二千弱のプレイヤー達が一斉に籠り祭りでも開催しているのかしら? それともみんなでフィールドに出ているのかしらね。
『はじまりの街』の住人は誰よりも死の危険を恐れているから、例え誰でも倒せるモンスターでも負ける可能性を秘めてしまうことを考えると、みんながみんなフィールドの外へ出ることはないはず。そしてみんながみんあ
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