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SAO編−白百合の刃−
SAO26-Yui Suzuna
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て言えるわけがない。だいたい、そんなことを兄に話したとして、なんの話をしているんだよって笑われてしまうのがオチ。
 それに兄だって成長しているんだから、私が過激に心配するのはなんか違う気がするし、ふと過ちの記憶が蘇ったから、忠告するのも違う気がする。
 でも……そうね……。
 それでも心配してしまうのは、私の悪い思考なのかしらね。

「ところで前々から思っていたんだけど、兄っていつからアスナのこと好きになったの?」
「あぁ……それはだな……」
 
 兄はアスナがいるのにも関わらず、好きになった理由をベラベラと喋ってくれた。当然の結果、赤面しながらアスナは兄に愛の体罰を与えた。私はその時、ドMに目覚めないか心配していたが、兄が「そんなこと心配するなよ」と発してきたので、その可能性はなくなったとホッとした。そんなこんなで他愛のない話をあれこれしつつ、時間は圧倒言う間に流れる。アスナが頃合いを見て昼飯作る時だった。

「あ、ユイちゃん……」

 アスナはユイちゃんが起きたことに気が付き、視線はユイちゃんに向ける。ユイちゃんがゆっくりとまぶたを開き、数回パチパチと開いたり閉じたりする。そしてユイちゃんは寝る前と違う空気を察したのか、私とドウセツに顔を向ける。そして見比べてからユイちゃんの口が開いた。

「まま? ぱ……ぱ…………だ、れ?」
「えっとね、私はキリカ」
「きい……か? ぱぱ……じゃないの?」
「いや、どう見た……」

 自分はパパではないと否定しようと言いかけた時、その謎は解明され、脳にひらめきを走らせた。ユイちゃんが私のことをパパと勘違いしているのは、私がキリトパパの双子の妹だから勘違いしたんだろう。
そう思っていると、ユイちゃんのパパさんが変わりに紹介してくれた。

「ユイ、この人は俺の妹だ」
「いもおと?」

私の変わりに兄が説明すると、ユイちゃんは首をかしげる。言葉の意味を理解しているのか考えていると、ユイちゃんはにっこりと笑いだした。あぁ……可愛い。今すぐに抱きしめたい。

「それでね、ユイちゃん。こっちは、ドウセツ。わたしの友達」
「どお…つ?」

 次にアスナはドウセツをユイちゃんに紹介した。

「ママに似てるー」

 ドウセツを見つめては、ユイちゃんはにぱーって笑った。ドウセツがアスナに似てい……る? 私はアスナとドウセツを見比べる。すると、ドウセツはそれを一発で見抜いて口にし始めた。

「見比べても一目瞭然でしょ。アスナと私は似てないわ」
「な、何故わかった……」
「キリカは特に単純だからわかりやすいわよ。流石ね、その単純さには私には持ち合わせていないわ」
「あ、褒めてないんですね」

 ドウセツの言葉を使う、皮肉と賞賛の違いがこれほどまでにわかりやすいの
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