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SAO編−白百合の刃−
SAO26-Yui Suzuna
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よう。心なしか、アスナの見方が人妻にも見える。兄と結婚して、ユイちゃんという子供がいるからだろうか。それとも、アスナの動作と口調が近所のおばさんっぽいから、一時的に年上に見えているからなのか? なんかそんな人と相思相愛になっている実の兄に苛立ちを覚える。クラインが羨ましむと同時に、兄に怒りをぶつける気持ちが沸くのもわかる気がする。
 ゴホン。
 お母さん達の会話は長くなりそうな気がするので、我々双子であり、お父さん同士で雑談でもすることにしよう。

「兄もパパになったでちゅか、よかったでちゅね〜」
「俺のこと絶対にバカにしているだろ」
「あれ? だってユイちゃん幼児退化したみたいなこと言ったじゃん……」
「俺はしてねぇし、それとその口調でユイには話すなよ。気持ち悪い」
「実の妹に気持ち悪いとか言うなんてサイテー」
「だったらその赤ちゃん口調で話すなよ」

 まったく、なんでこんな兄のことをアスナは好きになってしまい、そして両想いになってしまったのだろうか。兄にはもったいない相手だ。私からすれば、ゲームが異常に上手なネトゲオタクの人見知りに過ぎないのに……いや、そもそも今暮らしている世界がゲームの世界なんだから、兄にとってSAOはリア充に分類されているのか。納得するようで納得しないな。
 …………それにしても、兄に恋人か……。

「ん? なんだよ、ジッと見つめて……」

 僅か数秒間の空間と時間。
記憶が過ったものは、私と兄がこの世界で過ちを犯してしまった出来事、『月夜の黒猫団』の実質全滅させた出来事。
特に私にとっても、兄にとってもサチが失ったことに関しては、記憶を消去してなかったことにしたい出来事。私と兄がサチを殺したと言っても過言じゃない。
 だから、“もしも”の話。
 
“もしも”、アスナが“いなくなってしまった”ら……その時、兄は…………。

 …………いや、そんな風に考えるのは止そう。例え、その時が来たとしても、言うべきことではない。うん、反省。

「……いや、私か見ても兄はギリギリ合格点かなって、思っただけさ」
「何がだよ」
「兄の顔。イケメンじゃないけど、年上にはなんかモテそうだなって」
「なんでお前が俺の顔を見て評価しているんだよ……」
「ボロクソに酷評しないんだから、感謝しなさい」
「偉そうだな……そういうお前はいつまで経っても結婚なんてできなさそうだな」
「そんなこと言う兄サイテー、自分はいるから、結婚できるぜみたいな?」
「ぜってぇバカにしただろ」
「恋人がいる兄が悪い。全部兄のせい」
「いい加減だな。だが、少なくともお前よりかは現実的だぜ。アスナがいるからな」
「うぜぇ」

 兄の先行く未来に、ドン底へ落ちてしまうかもしれない通過地点のことを心配してしまったなん
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