SAO編−白百合の刃−
SAO26-Yui Suzuna
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く、ユイちゃんが起きないと今のところなにも進展や発展はない。
「私達スズナをさ、どうにかしたいから兄達に相談してきたの」
「俺もキリカ達に協力してもらいたいところだった」
「……そのわりには、ユイちゃんを隠していたそうじゃない」
「そ、それは……お、お前が急に現れるから、心の準備が……」
なんだよ、そのこじつけは。それで納得すると思っているのか?
仕方ない、納得しよう。
「とにかく、昨日、新聞を見て訪ね人コーナーにも村にも情報がなかったから、『はじまりの街』に行ってみようかと思うんだが」
あ、話逸らした。
でも、『はじまりの街』か……スズナとユイちゃんのステータスと両親のことを考えると、最初から一番安全な『はじまりの街』は最初に訪れるべき場所だろう。他に手掛かりがない以上、兄の意見に賛成だ。
「確かに『はじまりの街』なら、なにかわかるかもしれないね」
『はじまりの街』
あの場所で兄と合流して、クラインと出会って、茅場晶彦がデスゲームをさせた。
名の通り、全てが始まった場所。
アインクラッド最大の都市でデスゲーム化した影響から、一番安全と取るプレイヤーが生活しているために、どこよりもプレイヤー人数は多い。もしかしたらスズナやユイちゃんを知っている人物がいるかもしれない。
「ちなみに聞くけど、昨日、新聞を見てスズナの情報は……」
「なかった」
兄の返答で、この層には記憶喪失の二人の情報はないことはわかった。
「なら、ユイちゃん起きたらすぐに行こっか」
「昼飯食ってからな」
「昼飯って……まだお昼まで三時間あるじゃないか……まぁ、いいけども」
昼前に行ったとして、店で食べるよりかは、アスナやドウセツの手料理を食べたほうが美味しいので兄の提案を拒む必要はなかった。
「それにしても……」
スズナを抱えている、ドウセツを見てアスナは微笑みながら口にした。
「ドウセツ、ママ似合っているね」
「母親に似合っているとかあるの?」
「似合っているよー。ママそのものって言ってもおかしくないわよ。ねー、スズナちゃん」
「?……うん」
「スズナを困らせるようなこと言わないの。それとスズナはわからなかったら、素直に頷かないの、いい?」
「はい、お母様」
「わかればよろしい」
そう言って、ドウセツはスズナの頭を優しく撫でた。無表情に近いが、スズナの表情は穏やかで心地良さそうに見えた。
だが、どういうことだ。おい、ドウセツ、いつもの毒はどうした? かわいいから良いけども、その優しさを少しは私にも与えてほしい。二人っきりになったら言ってみようかな。
今は、近所のお母さんが立ち話で盛り上がるようにドウセツとアスナとで会話しているので、そっとしとくとし
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