第2部
エジンベア
元戦士の店
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あら、ビビアン。それにミオまで! 随分珍しい組み合わせネ★ アタシに頼みたいことって?」
アルヴィスさんはビビアンに気づくと、若干ほっとした様子のユウリから離れ、颯爽とこちらに近づいてきた。
「単刀直入に言うわ。あなたのメイク術で、ミオをとびっきりの美少女に仕立て上げて欲しいの」
「!!」
そう言って隣にいる私の背中をぽんと叩くビビアン。元英雄の仲間であったアルヴィスさんは、その一言に何かを察したのか、ぴくりと眉を動かした。
「何それ超素敵!! なあに、ミオったら、誰か気になる相手でも出来た?」
いや、これは戦士としての勘ではなく、バニーガールとしての勘というやつだろうか?
「いやそうじゃなくて……。エジンベアっていう国で美少女コンテストがあって、そこで優勝しなくちゃならないの。それで、アルヴィスさんにも協力してもらおうかと思って」
そこまで言うと、アルヴィスさんは目をぱちくりさせて、
「え、ミオは今でも十分カワイイじゃない。アタシたちがどうこうしなくてもなんとかなるんじゃないの?」
と、既視感を感じるような台詞を言った。
「なんとかならないからこうしてお前たちに助けを求めてるんだ。どんな見た目だろうと、こいつの田舎者オーラはあの国では厄介者扱いされる」
いつの間にかやって来たユウリがアルヴィスに説明する。確かに間違ってはないのだが、ユウリにそう言われると余計に胸に突き刺さる。
「ふぅん。お国柄って奴なのかしらね。アタシはエジンベアに行ったことないからわからないけど」
「とにかく、こいつを優勝させてくれれば礼を出す。頼む、協力してくれ」
そういうとユウリはアルヴィスさんに向けて頭を下げた。最後の鍵のためとはいえ、プライドの高いユウリが私のことで人に頭を下げるのを見るのは、内容が内容なだけに複雑な心境だった。
「あ、あの、私からもお願いします! 私が優勝しないと、最後の鍵が手に入らないんです!」
私の言葉に、アルヴィスさんは眉をひそめた。
「最後の鍵? なんか聞いたことあるわネ。ひょっとして、魔王と何か関係があるの?」
「ああ。俺たちは今、魔王の城に行くためにオーブを探している。だが、オーブを手に入れるには最後の鍵が必要なんだ」
ユウリはテドンであった出来事を簡潔に二人に話した。ビビアンはともかく、ユウリのお父さんであり英雄でもあるオルテガさんと一緒に旅をしたことのあるアルヴィスさんなら、もしかしたら最後の鍵やオーブのことを知っているかもしれない。
「へえ、イグノーねえ……。確かに若い頃、そんな名前のスッゴい偉い人がいたって聞いた気がするワ。でもゴメンなさい、オーブのことは知らないの。それにあの人、そういうアイテムなくても魔王の城に行けるって豪語してたしね」
「……話に聞いてはいたが、俺の親父は想像
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