19,睡眠……
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スキンヘッドの巨漢がこちらに殴りこんできたから、二人で追い払ったやら。
挙句の果てに、全身黒の怪しい少年が隣で寝始めたから、担架で近くの川に流したらしい。
「終わりだ……俺の攻略組での生活は、終わりだ……」
俺の落胆は余所に忍達は勝鬨を上げていく。もはや、忍ですらないその堂々とした様に俺は責任を取らせるのをあきらめた。
「もういい、で起きた時は何をしてたんだ?」
「「お頭とフレンド登録をさせて頂いたでゴザル!!」」
木枯らしが一陣、俺たちの前を通り過ぎていく。
固まった俺は目を閉じて深呼吸し、フレンドリストを出してイスケとコタローの名前があることを確認。
そのまま、二人の名前をドラック。
指先で彼方へと放り投げた。
《二人とのフレンド登録を削除しますか?》
躊躇いもなく、イエスを押しこむ。
よし、削除完了っと。
「「ひどいでゴザルよ、お頭!!」」
「ウルセェ。お前らにだけは非難されたくないわ」
抱きついてくる二人の顔面に容赦なく《閃打》を振るう。
ダメージが通らないのが悲しいが、二人の体は数メートルきれいに吹っ飛んだ。
「第一、俺がお前らとフレンド登録するメリットは何だ?」
「――お頭に影ながらつき従い、不逞の輩からお守りするでゴザル」
「――お頭に常にメッセージをお送りし、近況報告と耳寄りな情報をお届けできるでゴザル」
「――要するに、ストーカーと迷惑メールだな」
もはや、殴る気力すら失い、右腕を力なく降ろした。
俺は、今日リフレッシュをするために昼寝をしていたはずなのに。
どうして、睡眠フレンド登録に引っかからなくてはならないのだろう。
とぼとぼと、二人の前を通り過ぎようとした。もう、今日はホームに帰って寝てしまおう。
そんな、俺を見て、イスケとコタローは
「お頭、それならせめて《風魔忍軍》への加入を……」
と言おうとしたところで殺意の蘇った俺の右腕に再び、遥か彼方へと吹き飛ばされるのだった。
後日、アインクラッド最大のニュース誌《ウィークリー・アルゴ》にはこんなニュースが流れることになった。
「圏内睡眠プレイヤー、簀巻きにされて圏外川に流される」
「透明化スキル解禁か!!?アインクラッド解放隊が圏内で姿を見せないプレイヤーに強襲される」
「24層気象設定に忍が降るというレアイベントあり?」
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