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ドリトル先生とめでたい幽霊
第四幕その二

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「織田作さんの作品からはわかるかもね」
「よく失恋で酷い目に遭った人いるね」
「そんなお話多いね」
「それこそ人間性変わる位のね」
「そうした場合もあるね」
「失恋で引き籠った人もいるよ」
 あまりにも傷付いてというのです。
「だから他の人がそうなっても言ったら駄目だしね」
「それで余計に傷付くからね」
「トラウマになっていたら」
「傷をさらに抉られて」
「余計に辛いわね」
「そうなるからね」
 だからだというのです。
「触れるべきでないし若しね」
「触れられたら」
「それが軽い気持ちでそうしても」
「心の傷をさらに抉られると」
「それがあまりに痛いから」
「そうされた人は怨むよ」 
 軽い気持ちで触れてもです。
「下手したら一生ね、そんなことで怨まれたら」
「嫌だね」
「自分は軽い気持ちでそうしてもね」
「一生怨まれるとか」
「絶対に嫌だね」
「だから絶対にしたら駄目だよ、そして本当に恋愛は」
 このことはといいますと。
「織田作さんの作品でも描かれていて」
「それは市井の人達の中にある」
「人々の暮らしの中で」
「そうしたものね」
「ごく普通にあるものなのね」
「そうなんだ」
 実際にというのです。
「夫婦善哉は恋愛小説と言っていいね」
「そうなるよね、言われてみると」
「不倫だけれど夫婦だし」
「籍は元の奥さんのままでも」
「そうだね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「夫婦善哉は恋愛小説でさっき話した競馬もね」
「恋愛小説だね」
「夫婦の」
「そうなるね」
「実は織田作さんは二度結婚しているんだ」
 この人自身のお話もしました。
「最初の奥さんのことはもう話したね」
「そうそう、京都で知り合った」
「高校時代に」
「喫茶店で働いていた」
「その人だね」
「この人と一緒になるのに結構な騒動があって」
 それでというのです。
「結婚してね、その奥さんのことをずっと愛していたんだ」
「織田作さん自身もなんだね」
「そうしたことがあって」
「それで作品にもだね」
「影響しているね」
「そうだよ、競馬は多分そのことがね」
 最初の奥さんとのことがというのです。
「あったみたいだね」
「ええと、その作品じゃ奥さん亡くなってるけれど」
「織田作さんの最初の奥さんも?」
「そうなったの?」
「ひょっとして」
「そうだよ、織田作さんの結核が感染したのか」
 そのせいかも知れなくてというのです。
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