暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
大荒魂
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーがどうなっているか知りたくないかい?」
「奴がどうなろうが、オレが知ったことではない。それより、ムーを侮辱したキサマを、オレは許さん!」
「全く……参加者はみんな予想外のピースばかりだ。本当にどんなパズルになるか予想できないよ」

 トレギアは苛立たち気にブライを蹴る。さらに、怯んだ隙に手から発射された雷で、ブライを吹き飛ばした。

「ソロ!」
「トレギア、何か知ってるの!?」

 可奈美の問いに、トレギアはほほ笑んだ。

「へえ? 仲間のことなのに、敵である私に聞くんだ?」
「っ……!」

 トレギアの言葉に、可奈美は口を噤んだ。一方、彼女が背に回す美炎は、可奈美を見上げて静かに頷いた。
 だがトレギアは「まあいいよ」と続ける。

「教えてあげるよ。安桜美炎」

 トレギアの赤い眼が、美炎を……そして、その中の何かを捉えた。

「なぜ君があの炎をその体に吸収できたのか」

 可奈美の千鳥を握る手が強くなる。

「なぜ目や髪が赤く染まるのか」

 起き上がったブライが、静かに耳を傾けている。

「そもそもなぜ、あの荒魂の少女が、君に懐いたのかァ!」
「……まさか」

 ただ一人。
 ウィザードだけが、その答えを察した。

「その答えはただ一つ」

 人間からすれば、表情が変わらないウルトラマンの顔。
 だが、今回だけは、それは笑っているように見えた。

「安桜美炎ォ! 君の、その体が……」
「や、やめろ! それ以上言うな!」

 ウィザードが叫ぶが、もう間に合わない。

ヤマタノオロチ()と同等以上の、大荒魂だからだ!」

 その時。
 それを肯定するように、ヤマタノオロチが吠える。
 ウィザードは足を止め、美炎へ目を向ける。
 可奈美もブライも、驚いた表情で美炎を振り返った。

「わたしが……荒魂……?」

 トレギアの言葉に、美炎は震えだす。やがて首を振りながら、少しずつ後退し始めた。

「嘘だ……! わたしを騙そうとして……うっ……!」

 トレギアの言葉を否定しようとした美炎。
 だが、それを言い切る前に、彼女の体内より炎が沸き上がった。赤い炎が彼女の体を焼き尽くすように燃え広がっていく。

「あっ……! があっ……!」
「「美炎ちゃん!」」

 美炎を助けようと、ウィザードと可奈美が駆け寄る。だが、そんな二人を、トレギアの黒い雷が弾き飛ばした。

「どうやら同類の大荒魂であるヤマタノオロチの接触が、体内の大荒魂を刺激したようだ」

 妨害を終えたトレギアが、ゆっくりと美炎へ近づく。屈む彼女の肩を掴み。

「さあ、見せてごらん。君の中の、化け物を」

 その腕より、赤い雷が発光した。
 それは、容赦
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ