大荒魂
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ーがどうなっているか知りたくないかい?」
「奴がどうなろうが、オレが知ったことではない。それより、ムーを侮辱したキサマを、オレは許さん!」
「全く……参加者はみんな予想外のピースばかりだ。本当にどんなパズルになるか予想できないよ」
トレギアは苛立たち気にブライを蹴る。さらに、怯んだ隙に手から発射された雷で、ブライを吹き飛ばした。
「ソロ!」
「トレギア、何か知ってるの!?」
可奈美の問いに、トレギアはほほ笑んだ。
「へえ? 仲間のことなのに、敵である私に聞くんだ?」
「っ……!」
トレギアの言葉に、可奈美は口を噤んだ。一方、彼女が背に回す美炎は、可奈美を見上げて静かに頷いた。
だがトレギアは「まあいいよ」と続ける。
「教えてあげるよ。安桜美炎」
トレギアの赤い眼が、美炎を……そして、その中の何かを捉えた。
「なぜ君があの炎をその体に吸収できたのか」
可奈美の千鳥を握る手が強くなる。
「なぜ目や髪が赤く染まるのか」
起き上がったブライが、静かに耳を傾けている。
「そもそもなぜ、あの荒魂の少女が、君に懐いたのかァ!」
「……まさか」
ただ一人。
ウィザードだけが、その答えを察した。
「その答えはただ一つ」
人間からすれば、表情が変わらないウルトラマンの顔。
だが、今回だけは、それは笑っているように見えた。
「安桜美炎ォ! 君の、その体が……」
「や、やめろ! それ以上言うな!」
ウィザードが叫ぶが、もう間に合わない。
「ヤマタノオロチと同等以上の、大荒魂だからだ!」
その時。
それを肯定するように、ヤマタノオロチが吠える。
ウィザードは足を止め、美炎へ目を向ける。
可奈美もブライも、驚いた表情で美炎を振り返った。
「わたしが……荒魂……?」
トレギアの言葉に、美炎は震えだす。やがて首を振りながら、少しずつ後退し始めた。
「嘘だ……! わたしを騙そうとして……うっ……!」
トレギアの言葉を否定しようとした美炎。
だが、それを言い切る前に、彼女の体内より炎が沸き上がった。赤い炎が彼女の体を焼き尽くすように燃え広がっていく。
「あっ……! があっ……!」
「「美炎ちゃん!」」
美炎を助けようと、ウィザードと可奈美が駆け寄る。だが、そんな二人を、トレギアの黒い雷が弾き飛ばした。
「どうやら同類の大荒魂であるヤマタノオロチの接触が、体内の大荒魂を刺激したようだ」
妨害を終えたトレギアが、ゆっくりと美炎へ近づく。屈む彼女の肩を掴み。
「さあ、見せてごらん。君の中の、化け物を」
その腕より、赤い雷が発光した。
それは、容赦
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